小池百合子東京都知事(64)が連日、都内の市町村長と意見交換を続けている。13日は八王子市など12人の首長と個別に面談。21日まで39市町村長と会う。

 多摩・島しょ地域の振興を推進するために、小池氏自らが課題を聞き取り、振興策に反映させるというのがこの面談の目的だ。来年度予算で同地域への補助金として500億円を計上。面談により、どう配分されるか決まるという。もっとも、それだけではない。

 永田町関係者は「昨年の都知事選では多くの市町村長が都議会自民党との関係により増田寛也氏(65)を応援しました」と振り返る。当時、区長有志や都の市長会、町村会が増田氏に出馬要請していた。

 この日、面談に来た石森孝志八王子市長(59)は率先して増田氏に期待感を示した一人。また、邑上守正武蔵野市長(59)は、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)の応援に回った。

 小池氏からみれば都内の首長はほぼ敵だったが、今では状況が一変。小池旋風はやむ気配がなく、むしろみんな小池氏にビビっている。というのも、千代田区長選のように小池氏が手を突っ込んでくることもあり得るからだ。

 都政関係者は「小池氏率いる都民ファーストの会は都内の市議会や区議会に議員団を作りたいと考えている。同時に千代田区長のように小池シンパの首長を多く誕生させたい」と指摘した。

 面談では「知事にならって言うなら“東村山大改革”を進めております」(渡部尚東村山市長=55)とアピールしたり、「こういう機会を作っていただき、小池知事は素晴らしい」(臼井伸介昭島市長=62)と持ち上げたりする首長が多かった。

 小池氏に近い関係者は「(首長選に)候補者がいれば立てることもある」。刺客を送られないためにはおとなしくするしかない。