20日(日本時間21日未明)に行われるドナルド・トランプ氏(70)の大統領就任式が近づくにつれ、米国内は物々しい空気に包まれている。

 就任直前の支持率が一部調査で40%などと異例の低さを記録している新大統領の就任式当日は「式典を台なしにするため」全米から反トランプ市民が首都ワシントンに集結。その数、20万人に上ると予想されている。

 フロリダ州では17日、トランプ氏の暗殺を予告する動画をインターネットに投稿した男が逮捕された。ツイッターで殺害予告をしたとして脅迫の疑いで逮捕されたのは同州マイアミビーチに住むドミニク・プオポロ容疑者(51)。「オレはトランプを就任式で殺す。どうする? シークレットサービス」と自撮りした動画で挑発的な発言を繰り返した。

 プオポロ容疑者の母親は、9・11米同時多発テロで、世界貿易センタービルに突っ込んだ民間機に搭乗していて犠牲になった。母親はトランプ氏に敗れたヒラリー・クリントン氏(69)の熱烈な支持者で、葬儀にはヒラリー氏本人が参列し、弔辞を読んだという。犯行動機について容疑者は沈黙している。

 ワシントンの連邦議会議事堂前で行われる大統領就任式には、公民権運動の指導者であるルイス下院議員を中心に、民主党議員約60人がボイコットする意向をすでに表明。トランプ氏はツイッターで同議員らを批判している。

 会場の外では「女性によるワシントンマーチ」という大集会が計画され、主催者によると、歌手のケイティ・ペリー(32)やシェール(70)、女優のスカーレット・ヨハンソン(32)、ジュリアン・ムーア(56)、デブラ・メッシング(48)ら多くのハリウッドセレブが参加する。

 華やかなはずの就任式が混乱をきたすのは必至で、首都周辺の警備には大量の州兵が動員され、厳戒態勢が敷かれる。