【カジノ法案】大急ぎ成立の裏に“トランプ密約”説

2016年12月15日 07時00分

トランプ氏(左)と会談した安倍首相(ロイター)

 カジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案が14日の参院本会議で可決、衆院へ送付されて成立する見通しだ。通称カジノ法案は長年の懸案事項だったので、いつかは決まると思われてきた。しかし、なぜ今なのか。推進派の関係者は「安倍晋三首相とドナルド・トランプ次期米大統領との会談が原因じゃないかとささやかれています」と明かす。密約が交わされたというのだ。

 13日の参院内閣委員会ですべての質疑が終了。民進党が望んでいたギャンブル依存症対策を盛り込む修正をすることにより、委員会で可決となった。14日の同本会議で可決後、衆院の本会議で可決され成立することはほぼ決まりだ。

 とはいえ、残された問題はいっぱいある。質疑では自由党の山本太郎共同代表(42)が「外資がカジノの運営会社になったら日本のお金を吸い上げられてしまうんじゃないか」と疑問を呈した。

 確かにせっかく日本にカジノができても、外資運営なら海外に利益を持っていかれて、日本国内でお金が回らないかもしれない。そうなると経済効果も薄い。

 決して杞憂ではない。そもそも、2013年に提出され翌年に廃案、昨年の再提出後もたなざらし状態だった法案が、なぜこんなに急いで成立したのか。
 推進派の永田町関係者は「安倍首相とトランプ氏との会談が原因とささやかれています。そこでトランプ氏から『カジノ解禁を急いでくれ』と言われた可能性があるのです」と明かす。

 日本時間11月18日に両者は米国・ニューヨークのトランプタワーで会談。その中身はつまびらかになっていない。カジノ法案は11月30日に審議入りし、今まで遅々として進まなかったのがウソのような早さで成立間近までやってきた。

「トランプ氏の米大統領選のお金を出していたのが、カジノ王といわれる『ラスベガス・サンズ』のシェルドン・アデルソン会長です。日本でのカジノ運営を狙っています。アデルソン会長からトランプ氏に『日本でカジノをやりたい』と話があり、トランプ氏が安倍首相に持ちかけたという構図です。そう考えないとずっと放っておかれた法案が、いきなり成立する事態を理解できない」(前出の関係者)

 アデルソン氏は「法案が通れば日本に進出したい」とやる気マンマンだという。

 山本氏は「カジノ運営のノウハウをもっているのは外資だ。優先的に国内の企業にやらせないのか!?」と外資参入に歯止めをかけるべきだと主張した。

 これに対して参院内閣委員会で菅義偉官房長官(68)は「どうするかは決めていない」。現時点ではこう答えるよりほかなく、不安は残ったままだ。

 自民党関係者は「数年前、カジノは『東日本大震災の復興財源のため』と言われたが、今は聞かない。『2020年の東京五輪・パラリンピックに間に合わせよう』という話もあったが、もう間に合わない」と振り返る。大義を見つけては消えていった。

 アベノミクスの成長戦略の柱がカジノというのが残された大義の一つだが、うまみを外資に持っていかれては意味がない。