7日に都議会本会議で小池都知事の所信表明に対する代表質問が行われ、小池氏が就任してから少なくなっていたはずのヤジが飛び交った。都議会自民党の崎山知尚都議(51)が詳しい質問の内容を事前通告せず、小池氏を厳しく追及した。

 崎山氏は、小池氏が記者会見で五輪会場の見直し問題に言及する流れで「黒い頭のネズミがいる」と指摘したことについて「公職に就く者として恥ずべき発言。誰のことか明確に答えてほしい」と批判。また「知事の都政運営は都議会に言う前に報道に発表をし、反対意見を封じ込める不健全なやり方だ」と指摘した。「知事がブラックボックスだ」と後押しのヤジも飛んだ。

 答弁に立った小池氏は「事前に一切、質問を頂いていない」と困惑し、「ちょっと待ってください」と水を飲んだり、壇上で安藤立美副知事からアドバイスをもらったりするなど、動揺を隠せなかった。同時に「質問に答えろ」「それ違うよ。訂正した方がいいよ」とヤジは止まらない。結局、小池氏は整理のためにいったん、降壇することになった。

 7人のサムライを除名にし、都議会自民党は小池氏との全面対決にかじを切った。この日の本会議は小池イジメといっていい。小池氏にとってつらい日々が始まりそうだ。

 と思いきや、実はそうでもないという。自民党関係者は「自民党に公認されず、同情が集まり小池旋風になった。ピークが過ぎたといわれているが、むしろ小池イジメで再び同情を集められるのでは。小池氏はしたたかな人ですよ」と話した。

 なんとか答弁しようとするけなげな小池氏。一方、都議会自民党は口汚いヤジを飛ばす。ツイッターでは「かわいそう」「都議会自民党は恥ずかしくないのか」とさっそく同情が集まっている。小池イジメもまた“小池劇場”の演目になってしまうようだ。