「小池劇場」の次なる標的はどこだ。豊洲市場移転問題や東京五輪・パラリンピックの会場見直し問題で世間の注目を一身に浴びた小池百合子東京都知事(64)。2つの問題は軌道に乗りつつあり、一段落しそうだ。しかし、それでは小池劇場は終わってしまう。永田町では次なる仕掛けに関心が集まっている。永田町関係者は「森喜朗氏や都議会のドンの次は、首相官邸と対決すると予想されています」と重大指摘した。

 小池氏は20日、都内で開催された「第2回 ジャパン フィッシャーマンズ フェスティバル~全国魚市場&魚河岸まつり~」を視察した。

 全国各地の漁業協同組合などが漁師飯や磯料理を提供。小池氏も「築地かんぺい会」のブースでマグロの中落ちを堪能。カメラマンからの「もう1回食べて」のリクエストに「もう一口食べたいと思ってたのよ~」とご満悦だった。

 視察後に会場内のステージであいさつに立ち「魚はすべて活用できるし、おいしいし、ヘルシー。三拍子そろっている。市場でも新鮮なお魚を提供できるようにがんばります」と安心、安全な魚が食卓に届くよう約束した。

 都知事就任から3か月が過ぎ“ハネムーン期間”は終わった。メディアを独占した小池劇場も、トランプ旋風や韓国大統領のスキャンダルに隠れがちだ。築地市場の豊洲移転問題は18日の定例記者会見で工程表が発表され、小池氏の口から「移転に向けた環境が整うのは2017年の冬、もしくは18年の春」と時期の言及があった。19年春まで延びる可能性もあるが、一定のメドを示した。
 五輪の会場見直し問題も国際オリンピック委員会を含めた4者協議で議論することになり、小池氏の
思う通りになるかはともかく、経費削減にはなりそうだ。

 小池劇場も落ち着きそうだが自民党関係者は「小池氏は橋下徹前大阪市長の手法をまねている。来年夏の都議選までは支持率を高い水準で保つために、話題になることをブチ上げ続けなければならない。最近の小池氏は『衆議院の解散はいつになりそうなのか』と気にしているといいます。小池新党とか日本維新の会との連携とかでタイミングを計っているのでしょう」と指摘する。

 新たなバトルの空気も漂う。永田町関係者は「当選直後に小池氏のスキャンダルが出ましたが、それを首相官邸が仕掛けたのではないかという話が浮上しています。小池氏の周辺も疑っている」と明かした。

 小池氏と官邸の関係は悪くはないように思えるが「どちらも維新との連携を視野に入れている。つまり、維新の取り合いになっているわけです。小池氏と安倍首相の個人的な仲は悪くないんです。ただ、それと政治は別ですからね」(前出の自民党関係者)

 小池氏は政治塾に橋下氏を講師に招こうとして断られたものの、維新との連携を果たせば、敵対する都議会自民党をけん制することができる。一方、官邸が維新と組めば、憲法改正など政権運営の選択肢が広がる。維新をめぐって小池氏と官邸のバトルが始まろうとしている。