小池百合子東京都知事(64)と対立する都議会自民党が、小池氏ブレーンの上山信一・都特別顧問に追及のターゲットを絞っている。

 上山氏は今週、日本外国特派員協会で会見を行い、東京五輪・パラリンピックの会場見直し問題について、世界各国のメディア相手に説明した。外国人記者から「森喜朗組織委会長が障害ではないのか」と聞かれ「答えられない質問です」と苦笑。小池都政のキーマンとして振る舞っている。

 一方、都議会のオリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会では、会場見直しの調査チームのあり方が問題視されている。特に先月18日の小池氏と国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長(62)の会談において、小池氏からバッハ氏に渡された文書をめぐって紛糾した。

 この文書は小池氏と上山氏で作成。「仮設施設の整備費のうち都が1000億円から1500億円を負担する」との趣旨が書かれていたという。作成者が当初「知事室」とあったのを小池氏の指示で修正するドタバタもあった。

 都政関係者は「この文書に誰が責任を持つのか不明確だと都議会は追及しています。委員会で都は『公文書という位置づけ』と話しましたが、都政改革本部を通した文書でもない。都議会はますます不信感を強くしています」と指摘。責任の所在が不明なまま、都民の血税が使われかねない。委員会では「豊洲問題みたいじゃないか」との声も聞こえてきた。

 同委員会は“都議会のドン”こと自民党・内田茂都議(77)の後継者といわれる高島直樹都連幹事長(66)が委員長。高島氏は上山氏を同委員会に呼び出すことに含みを残した。

 豊洲市場の地下空洞も知らないところで決まっていた。まさにブラックボックス。調査チームのあり方をしっかりしないと、同じ批判が小池氏に突きつけられることになる。