政治塾に約4000人応募と大盛況だが…不安視される小池劇場の死角

2016年10月26日 07時00分

小池劇場は決して順調ではない

 勢いに乗る小池百合子東京都知事(64)にも死角がある。後継者の若狭勝氏(59)が衆院東京10区補選で当選し、30日に開塾する小池政治塾には約4000人の応募。小池劇場はまだまだ続くと思われているが、今後の道のりは平坦ではない。2020年東京五輪・パラリンピックの会場見直し問題で“元のもくあみ”になれば求心力の低下は必至。“7人の侍”の処分問題も小池劇場の存続に大きな影響を与える。

 24日、共産党都議団が記者会見し、20年東京大会のボートとカヌー競技の会場見直し問題で提案書を小池氏に渡したと発表した。吉田信夫都議は「3つに絞ったというが、なぜその3つなのか分からない。宮城や埼玉のボート関係者らを交え、開かれた場で議論するべきだ」と公開討論会を求めた。

 都の調査チームは先週現行計画の「海の森水上競技場」の恒久施設案と仮設施設案、そして宮城県の長沼案の3つに絞ったと表明。アスリート人気が高かったとされる埼玉の彩湖は“落選”とした。共産党関係者は「調査チームがブラックボックスだ。なぜ海の森が2案あるのか」と批判。すでに「海の森――」の仮設案で決まっているのではと疑う。

 もしそうなら大変だ。国際オリンピック委員会を巻き込んでまで混乱を起こしたのに、結局「海の森――」では、森喜朗組織委会長(79)に屈したイメージがついてしまう。小池氏の求心力は低下する。

 不安要素はもう1つある。都知事選で自民党都連の意向に反して小池氏を支援した豊島区と練馬区の区議ら“7人の侍”の処分問題だ。都連は離党勧告を出しており、30日までに離党届を出さないなら除名となる。処分を和らげようと動いているのが党本部の二階俊博幹事長(77)。その二階氏に小池氏らが取り込まれないか不安視されている。

 二階氏は侍たちに優しいが、小池新党潰しの策略と言われている。侍の一人は「新党潰しで二階氏が動いているという人もいますが、そもそも小池氏は新党を作るとは言っていません。二階氏と小池氏は自民党に入る前からの仲で絆が深いのでしょう。都知事選の圧勝を見たら二階氏も『撃ち方やめ』となりますよ」と余裕の構えを見せる。

 しかし、2人の仲はそれほどでもないという意見もある。自民党関係者は「保守党で2人は一緒だったが、その後、自民党に入党する経過は異なる。言うほど信頼関係はない。二階氏が考えるのは、自民党の利益であって小池氏のじゃない。7人の侍が自民党を出れば小池新党の期待感が高まるが、逆なら期待は静まる。二階氏の狙いはそこだ」と指摘した。

 小池人気は、自民党員なのに自民党にいじめられていたことによる同情が要因のひとつ。侍たちが自民党残留となれば、党に取り込まれた感があり、都民の期待がしぼみかねない。