2日に告示された民進党代表選(15日投開票)は盛り上がりを欠く中、大本命の蓮舫代表代行(48)に持ち上がった中華民国(台湾)との“二重国籍”疑惑だけがネットや一部メディアで大炎上し、過熱し続けている。蓮舫氏は釈明するも疑念はなぜか深まるばかりだ。本来、蓮舫氏が否定する証拠を提示すれば収まる話だが、個人情報保護の観点からややこしそうだ。そもそも、大炎上中の疑惑の“発火点”はどこにあったのか。緊急追跡すると――。

 蓮舫氏の“二重国籍”疑惑が持ち上がったのは、代表選を控えた先月末のことだ。

 蓮舫氏は貿易商で台湾出身の父親(故人)と日本人の母親の間に1967年、日本で生まれた。現行の日本の国籍法では父親か母親が日本人であれば、その子は日本国籍を取得できるが、蓮舫氏の出生時は父親が日本人の場合のみに限られていた。

 そのため蓮舫氏は中華民国籍(台湾籍)で本名「謝蓮舫」として、幼稚園から青山学院に通っていた。17歳時の85年に改正国籍法が施行され、母親が日本人の場合も日本国籍取得が可能となり、蓮舫氏も資格を有した。

 国籍法では一定の条件を除いて重国籍を禁じている。一部で問題視されたのは、蓮舫氏が日本国籍を取得後、中華民国の国籍離脱の手続きをとっておらず、“二重国籍”の状態にあるのではないか?というものだ。

 蓮舫氏が“二重国籍”状態だとすれば、うっかりでは済まされない。大臣経験者で野党第1党の党首になれば、政権交代があれば首相になってもおかしくない公人中の公人だからだ。

 蓮舫氏は2日付の「産経新聞」のインタビューで国籍放棄を忘れているのではないかと聞かれ「ごめんなさい、それ分かんない」と回答。台湾籍の有無についても「質問の意味が分かりません」と繰り返したことからネット上ではあたかも“二重国籍”と確定したかのような祭り状態になった。同僚議員からも心配する声が上がっていた。

 3日の読売テレビ(日本テレビ系)「ウェークアップ!ぷらす」に出演した際にもキャスターの辛坊治郎氏(60)からこの件について問われ、蓮舫氏は「今、そういうウワサが流布されるのは本当に正直、悲しい。国連の男女差別撤廃条約を日本が批准して唯一改正した国籍法ですから」と声を落とした。

「一言違うという話ならそれだけの話」と追及する辛坊氏に、蓮舫氏は「生まれた時から日本人です」「(台湾の)籍抜いてます」「(いつ?)高校3年で18歳で日本人を選びましたので」。辛坊氏は「これについてはデマだとお伝えしておきます」と締めくくった。

 しかし、ネット上では台湾の国籍法で国籍放棄の手続きは20歳からでないとできないとの指摘があり、「蓮舫氏はウソをついている」「生まれた時から日本人というのはありえない」と再び大炎上するキッカケとなってしまった。

 蓮舫氏の今後を大きく左右しかねない疑惑だが、もちろん“濡れぎぬ”との見方も出ている。

 永田町関係者は「蓮舫氏はこの問題を法的にクリアしているようです」と話す。それならば国籍放棄した等の証明書でも公開すればすぐに事は収束しそうだが、そう簡単でもなさそうだ。

「プライバシーの観点からそこまでする必要があるのかの問題がある。これ以上、二重国籍と煽り立てられた場合は法的措置も辞さない構えのようです」(前出の関係者)

 そもそも騒動になった“発火点”をベテラン秘書はこう指摘する。

「蓮舫氏はフリージャーナリストの村田信之氏と結婚し、本名は斉藤蓮舫から村田蓮舫になったにもかかわらず、対外的には旧姓でもない蓮舫の通称で押し通し、ツイッターやインスタグラムのアカウントも旧名の謝蓮舫の中国名を使っている。そのあたりが保守層からの反発を招き、今回の疑惑にも火をつけた」

 もっとも騒動をヨソに代表選の行方は蓮舫氏が1回目の投票で過半数を獲得しそうな情勢で、旧民主党を含め初の女性代表への就任が濃厚だ。疑惑を完全払拭し、一点の曇りもない状態で晴れの代表選当日を迎えることができるのだろうか。