小池都知事“都議会のドン”潰しの本気度

2016年09月06日 06時30分

朝から防災訓練の視察をこなした小池氏(中)

 小池百合子東京都知事(64)が謙虚になったとささやかれている。都知事選に当選してからというもの築地市場移転を延期したり、五輪利権調査チームを発足させたりと、対立する都議会自民党を刺激する政策を連発。一方で、支持者からは「傲慢なイメージがあったけど、すっかり謙虚になった。それだけ本気なのでしょう」と感嘆する声が上がっている。これも“都議会のドン”を倒すためなのか。

 4日、小池氏は東京都と葛飾区、墨田区による合同防災訓練を視察した。雷注意報も出る大雨が降っていたが、小池氏が視察予定の消火訓練会場に入る直前に雨がやんだ。まさに晴れ女。もっとも政治の世界では台風の目といってもいいだろう。

 築地市場移転問題では11月7日に豊洲新市場の開場が迫っていたのにもかかわらず、延期を決断。また、公約でもあった都政改革本部を立ち上げ、「オリンピック・パラリンピック調査チーム」を作った。このチームでは五輪利権に切り込むことが期待されている。

“都議会のドン”こと内田茂都議(77)を中心とした都議会自民党は沈黙しているが、「なに勝手なことをしているんだ」と、はらわたが煮えくり返っているであろうことは想像に難くない。

 小池氏はどこまで本気で対立するつもりなのか。都知事選で支援に回ったある団体関係者がこう話した。「もともと小池氏には傲慢で絶対に頭を下げない人という印象がありました。ところが、知事選前にウチの団体に『よろしくお願いします』と頭を下げに来たからびっくりですよ。しかも、当選後も謙虚なままだから、もっとびっくり。毎日、忙しくしてるみたいだし、間違いなく本気でやってますよ」

 随分な言われようではあるが、この関係者はあくまで褒めている。小池氏はこの謙虚さを保ちながらも、虎視眈々とドン潰しを進めている。

 小池氏が衆院議員を辞めて都知事選に出馬したことで、10月23日投開票予定で衆院東京10区補選が行われる。鞍替えが噂された民進党の蓮舫代表代行(48)は4日、同区での出馬を否定。一方、小池氏の側近といわれる若狭勝衆院議員(59)が出るのではないかとみられている。

「自民党は公募で候補者を選ぼうとしている。これは小池氏が勝手に候補者を立てないようにするためのけん制だ」(永田町関係者)。確かに小池氏は今も自民党所属で、公募は無視しづらい。

 ところが、「若狭氏は出馬に前向きで、関係者がすでに10区内で活動をしているとの情報もあります。10区には小池シンパの地方議員がおり、小池氏からすれば反小池派に明け渡すわけにはいかないでしょう」(都政関係者)

 ドン潰しは今がチャンスでもある。都政事情通は「来年に都議選がありますが、ドンの内田氏は年齢もあり、出馬しないとみられています。高島直樹都議がドンの後継者と目されていますが、高島氏が都議会自民党をまとめられるかは未知数。都議会自民党としては今は小池氏対策を考えるよりも、自分たちの足元を固めるので精一杯です」と指摘した。

 自民党支持者の半数が小池氏に投票したともいわれる。また、声には出さないが自民党東京都連に所属する区議や市議で、小池氏に投票したという人も多いという。

 小池氏が謙虚さをキープすれば足をすくわれる危険は少なくなる。ドン潰しにまっしぐらだ。