民進党の代表選(9月2日告示、15日投開票)で前原誠司元外相(54)が26日、正式に出馬表明した。蓮舫代表代行(48)に続く表明で民進党結党以来、初の代表選となるが、なぜか「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎共同代表(74)の処遇が“争点”となっている。

「出馬はかなり悩みに悩み抜いた。時流は女性で、私が手を挙げれば水を差す。世代交代があった方がいいという意見もあったが、民主党政権の深い反省と後悔を身に染みて分かっている人間が中心になってもう一度、政権を目指すべき」

 自らを“戦犯の一人”と認めつつ、前原氏は決意を述べた。

 民進党の代表選にもかかわらず、質問が相次いだのは小沢氏との関係だった。前原氏は代表選出馬にあたり、因縁の小沢氏と数度の会談を持っていたからだ。前原氏は小沢氏批判の急先鋒だっただけにこの“急接近”には、さまざまな臆測が飛び交っていた。

「党内には小沢グループの議員がいて、いまだに小沢氏待望論が強い。生活を民進に合流させ、小沢氏を復党させ、幹事長に据えるべきとの意見がある。安倍自民党に対峙できるのは“剛腕”しかいない」(民進党関係者)

“先出しジャンケン”した蓮舫氏が有力グループの支持を集め、既に当確ムードだが、党内には現執行部に反発するグループや小沢氏支持者の議員も多く、前原氏は小沢氏の力を借りれば、奇跡の逆転も見えてくる。

 前原氏は「(民主党政権時は)小沢対反小沢で極めて深刻な亀裂をもたらしたのは大きな反省点、後悔でありますが、乗り越えるために(小沢氏に)話を伺った。(復党の話は)俎上には載らなかった」とお茶を濁したが“密約”が交わされたとみられている。

 もっとも党内には共産党との共闘路線以上に小沢氏へのアレルギーが強いのも事実。“もろ刃の剣”となりかねない小沢カードを巡って、代表選は攻防が繰り広げられることになる。