小池都知事と森喜朗・東京五輪組織委会長の深い溝が埋まらないワケ

2016年08月11日 07時30分

 お互いに「自分は悪くない!」と思っている――。小池百合子東京都知事(64)と森喜朗・東京五輪組織委員会会長(79)が9日、都内で会談したが、引きつった笑顔しか出ないピリピリムードとなった。森氏の「こうしてゆっくり会うのは何十年ぶりかな」との問いかけに、小池氏は「私はそんなに生きてません」とぎこちない笑顔を作った。どうにも埋まりそうにない小池都知事と森氏の間の“深~い溝”は、いつどのようにできてしまったのか――。

 9日午後3時。東京・虎ノ門ヒルズにある組織委員会には、森氏が先に到着した。マスコミ撮影用に用意されたイスに座り「お見合いのお嫁さんを待っている気分だ」と話し、余裕のあるところを見せた。

 そこに小池氏がやって来て握手。「笑顔でお願いします」とカメラマンから声が飛ぶが、若干、小池氏の笑顔が引きつっていたようにも見える。森氏の「ゆっくり会うのは何十年ぶりかな」という冗談も不発。2人はしばらくリオ五輪での日本人選手の活躍など話をして別室に移った。

 約40分の会談を終え、まずは小池氏が報道対応した。森氏が「お見合いのお嫁さんを待っている気分だ」と話していたことを報道陣から聞かされると、小池氏は「大年増ですけど」とキツイ返答。森氏となれ合うつもりはないようだ。

 一方、森氏は「もともと森商事(森派=現細田派)の社員だったんだから、初対面ではない」との表現で、過剰に2人の仲を探る報道陣を制した。かつての上司らしく、「よく勉強されてますね。就任して1週間くらい? ずいぶんといろんなことを勉強してますね」と上から目線で語った。

 会わないよりはマシといったピリピリした会談だったが、2人の不仲は2008年の自民党総裁選にあるという。特に指摘されているのが、森氏の意向に反して小池氏が出馬したことが決定的だったというが、当時を知る自民党関係者によると「大前提に森氏は外から来た人が嫌いというのがありますが、総裁選についていえば森氏の勘違いですよ」と明かした。

 小池氏は日本新党で初当選していた。当時は安倍晋三氏(61)、福田康夫氏(80)と清和会(旧森派)出身の首相が短期間で辞任していた。総裁選を控えたある日の清和会会合でのことだ。

「森氏は出張だかでいなかった。そのときみんなで確認したのが、『2代続けて清和会が迷惑かけたから、候補者を出すのは基本的にはない。ただ、誰か出たいならそのとき考えよう』ということでした」(当時を知る自民党関係者)

 小池氏はこれを「決して出馬がNGなわけではない」と解釈し出馬へ。仲間の議員も小池氏を応援した。しかし後日、清和会の会合が開かれ、森氏がやって来た。

「『何を勝手なことしているんだ!!』と激怒していた。どうやら森氏はとっくの前に麻生太郎氏(75)と『清和会は麻生を支持する』と約束してしまっていたみたい」(同)

 小池氏の出馬で清和会は一致結束して麻生氏の支持に回れなくなった。森氏はメンツが潰れたことに怒ったわけだ。

「森氏は勘違いしているのかもしれないけど『出馬するな』とは誰も言っていない。『考えよう』ということだった。小池氏からすれば『私は悪いことはしていない』となる」(同)

“森氏の意向に反して”という意識もさらさらないわけだ。

 あれから8年。今さら仲直りはないだろうが、東京五輪への影響だけはないようにしてほしい。