初の女性都知事の誕生だ。31日投開票の東京都知事選で小池百合子元防衛相(64)の当選が確実となった。“先出しじゃんけん”で出馬を表明しながら、自民党から推薦を得られず女1人の戦いとなっていたが、フタを開けてみれば、まさに“秒殺”だった。

 当確から3分後に事務所入りし、支援者らの大きな歓声に迎えられた小池氏は「心から感謝申し上げます。みんなが輝ける東京へ。これまでに見たことない都政を皆様とともに作っていきたい」と意気込みを述べた。

 報道陣のリクエストもあり、万歳三唱を計5回。15回もの万歳を行った。

 国会議員を辞職し、背水の陣で臨んだ選挙だった。自身が所属した自民党東京都連を「ブラックボックス」と批判し、都議会のドンと呼ばれる内田茂都連幹事長(77)との対決姿勢を鮮明にした。公約として掲げた「都議会冒頭解散」は都議らの怒りを買ったが、抵抗勢力との戦いで国民の支持を受けた小泉劇場ならぬ小池劇場を演出することに成功した。

 組織のバックアップを受ける増田寛也元総務相(64)とは異なり、若狭勝衆院議員(59)や地元区議ら陣営のメンバーは多くはなかった。しかし、日に日に聴衆の数は増えていき、各社情勢調査でトップに立った。

 支援者は「これで東京は変わるよ。自民党も変わる」と変化に期待する。別の支援者は「自民党員を辞めることになっても構わない」と笑う。

 選挙事務所は池袋駅近くの雑居ビル。かなり狭く150人ほどの報道陣と支援者が駆けつけ、すし詰め状態に。小池氏も汗かうれし涙か、ハンカチで顔を拭く場面が多く見られた。