自民党都連は11日、東京選出の国会議員による緊急会合を開き、東京都知事選の推薦願を自ら取り下げた小池百合子氏(63)の応援を正式に取りやめた。

 都知事選では、17年ぶりの分裂選挙を避けるため、公明党と緊密に連携して前岩手県知事の増田寛也氏(64)を全面的に支援する方針だ。

 増田氏は11日、都庁で出馬会見を行い、豊富な行政経験をアピール。(1)子育てと待機児童問題の解消(2)高齢化社会対策(3)首都災害への備えを政策の中心に掲げた。

 県知事時代は東京の一極集中が人口減少を招いていると批判してきたが、それらは封印。「スイッチを切り替え、地方から問題提起してきたケジメとして東京のトップに立ちたい」と述べ、イメチェンを宣言した。

 一方、“先出しジャンケン”で選挙戦をスタートさせた小池氏は同日、都庁で開いた会見で「東京大改革」という基本政策を発表した。

「小池さんの選挙戦略は夕方5時に会見をセットする。全局のニュースに間に合わせるためでしょう。都連は、組織票を固めて増田さんを勝たす戦略。小池さんの電波ジャック戦略は、主婦層を中心にウケているんです」(テレビ局関係者)

 勢いでは小池氏の方が上か。なりふり構っていられない自民都連サイドは、小池氏のネガティブキャンペーンで後方支援したい考えだが…。

「先日、某週刊誌で彼女の政治資金パーティーをめぐる記事が出たが、全くビクともしなかった。舛添要一前知事の醜聞がひどすぎて、都民の感覚がマヒしている。そんじょそこらの金銭スキャンダルではもう響かない。舛添氏が彼女の“守護神”になっている」(議員秘書)。ダメージを与えられるとしたら、舛添氏同様の“公私混同ネタ”を探すしかないが、小池氏本人が「絶対にない」と断言しているだけあって、苦戦しているという。

 政界関係者は「複数のメディアが水面下で小池さんの“身体検査”を行っているが、舛添氏クラスの政治資金の私的流用疑惑は、なかなか見つからない。都連サイドは『あの女、ケチなくせに!』と頭を抱えています」と明かす。

 増田氏にとっては苦しい選挙戦になりそうだ。