民進党は23日、東京・永田町の党本部で会見を開き、参院選向けの選挙CM「ダレノミクス?」3編を発表した。

 選挙CMは22日の参院選公示日から、全国でエリア選定した放送局と全国主要都市の街頭ビジョンで展開され、インターネット広告としても24日から展開する。

 自民党を率いる安倍晋三首相(61)が、アベノミクスによる経済政策の成功をアピールするのに対し、一般の市民の姿を通し、疑問を訴える内容だ。CMに登場するのは全員が実在の人物。「ダレノミクス? 介護編」で出演した静岡県富士市の男性は、離職して親の介護に従事するなか、年金が減額されることに不安を訴えた。

 4年間、大学で学ぶために奨学金216万円を借り、就職後に生活しながら返済できるかと不安を訴える東京都小平市の大学生は「奨学金編」に出演。

 また「農家編」では、北海道美瑛町で農業を営む男性が、TPPで発生する海外産品との価格競争などに不安を抱く姿が描かれる。

 同党広報企画局長で参院議員の藤本祐司氏(59)は出演者について「支持政党は特段、意識していません」と話す。

 CMでは「ダレノミクス?」という文言以外、ナレーションもなく、岡田克也代表(62)は一度も登場していない。

「(選挙が)終わってからコメントしたい。今後の選挙戦の中でやっていこうと思っている。後半戦に向けて(新しいCMを)作っている最中です」(藤本氏)

 対する自民党関係者は「民進党の顔とも呼べる岡田代表が、CMに登場していないのは理解に苦しむ。我々からすると、このCMでは有権者に信頼されないのではないかと思ってしまう。一体、誰が代表の政党なんですかね」と首をかしげている。