参院選公示を前にした21日に政党代表らによる日本記者クラブ主催の党首討論会が都内で行われ、普段は穏やかな民進党・岡田克也代表(62)が珍しく感情をあらわにするシーンがあった。

 9人の党首が握手してスタートした討論会だが、自民党の安倍晋三首相(61)は、さっそく岡田代表にかみついた。

「(共産党と)国民連合政府をつくるのか。来年かもしれませんね」と共産党と民進党の連立の可能性を問うた。「来年かも」という発言の趣旨は、それだけ両党が近い関係だとやゆしたものだ。

 岡田氏は「来年なんて言ってない。首相がレッテル貼りなんて恥ずかしい!」と激怒。さらに、岡田氏はメディアにもキレた。日本記者クラブの質問者から「そんなにアベノミクスが悪いというなら、内閣の不支持率はもっと高くてもいいのではないか」と聞かれると「民主党政権時代の反省がある。不十分にうつったことは間違いない」と、世論を説得できていない力不足を認めつつも反撃に出た。

「メディアはどうですか? 萎縮していると思う。党首討論をなんでもっとやらないのか。自民党から(やめてくれと)言われてテレビ局がのんだんでしょう」と、自民党の圧力に屈したとしてメディアを批判した。

 これだけではない。質問が安倍首相に集中したことに岡田氏は「安倍氏が延々としゃべっている。自民党の宣伝の場になっているじゃないか!?」と感情をあらわにした。この日の岡田氏はいつになく攻撃的だった。

 それだけ安倍首相に共産党との関係を指摘されることに敏感になっているのだ。地方の民進党関係者は「北海道の補選の際に民共批判の怪文書がまかれましたが、それと同じ内容のものが参院選でも配られています。本当に自民党はやることがせこいですよ」と憤る。

 ただ怒ってばかりでは仕方がない。岡田氏には党代表としての振る舞いが求められる。

「応援弁士としては陰気くさい。せめてメガネを取ってほしい。目の病気のためといいますが、どうにかならないですかね」(前出の民進党関係者)

 病気ならば仕方がないが、もう少しさわやかさが必要だ。