待機児童問題をダイレクトに告発した匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」を国会で取り上げ一躍有名となり、民進党の政務調査会長に抜てきされた山尾志桜里衆院議員(41)が14日、本紙の独占インタビューに応じた。天下分け目の参院選(22日公示、7月10日投開票)を目前に控えて、打倒・安倍自民党への意気込みやベールに包まれた素顔について激白した。

 ――「民進党」という政党名が有権者にまだ浸透していない

 山尾:私の選挙区の愛知なんかは“愛知・民主”と言われて、かなり“民主”が根付いているから確かに切り替えは難しい。支援者も“民主”と言いかけて「ミンシュ…シンミンシン」と気を使ってくれます(苦笑)。“国民とともに進む”という気持ちで民進党をアピールしていくことが大事。

 ――支持層からも「岡田克也代表で本当に勝てるのか」という不安の声がある

 山尾:全国32の「1人区」で自民と野党統一候補の一騎打ちの構造になりました。これは岡田代表だからできたこと。民主党時代はよくバラバラと言われたけれど今、党内にそのバラバラ感はない。もっと岡田代表のユーモラスで優しいところ、かわいい素顔も知ってほしい。

 ――かわいさとは

 山尾:スイーツが大好き。会議が停滞してくると、こそこそとアーモンドチョコなんかを口に入れている。一応、ガサガサ音がしないように気をつけていますけど、代表って、ひな壇の中央にいるから皆にバレてるんです(笑い)。おちゃめだけど、根っこは誠実だから岡田代表に託してほしい。

 ――安倍晋三首相(61)は野党連携に「気をつけよう 甘い言葉と民進党!」と批判をエスカレートさせている

 山尾:私は「気をつけよう アベノミクスと憲法改正」だと思います。野党共闘を総理がわざわざ街頭で批判していると聞いて、よほど(野党)連携が怖いのかと。「保育園落ちた――」の(衆議院予算委員会の)質疑でも「山尾さん、空振りですよ」と言ってきたように、総理は不安の裏返しで強い言葉を使う。憲法の考え方が全く違う公明党との連立を解消してからおっしゃってほしい。

 ――美人議員といわれている

 山尾:政治家と検事と犯罪者は大体“美人”ですもんね(笑い)。マユツバと思いながらもありがたく受け止めます

 ――ストレス解消法は

 山尾:全国を飛び回っているので空港や駅でおつまみやお酒を買っておみやげにして、ダンナさんと晩酌しています。一日の区切りになりますし、忙しいことのおわびにもなる。付け届けみたいな感じで(笑い)。

 ――野党第1党の政調会長として政権奪還の本気度を聞きたい

 山尾:政党と政治家の関係は結婚に似ている。“健やかなる時も病める時も”という。政党は政治家一人ひとりから成り立っているわけだから、政党が“病んでる”原因は自分。だから苦しい時も民主党からの離脱を考えたことは一度もない。ここから先は、若手と女性が民進党を引っ張っていきますよ。苦しい野党の経験を積んで厚みを増した時、民進党は政権を取ります。

☆やまお・しおり=1974年7月24日生まれ。宮城県仙台市出身。東大法学部卒業後の2002年に司法試験合格。04年から検察官として東京地検や名古屋地検岡崎支部などを歴任し07年に退官。09年の衆院選で愛知7区から出馬し初当選。12年衆院選では落選し14年に返り咲いた。現在2期目。1児の母。