三宅久之さん 安倍総裁決定が最後の“奉公”

2012年11月19日 11時20分

 政治評論家の三宅久之さんが15日、都内の病院で死去した。82歳。ビートたけし本紙客員編集長(65)が司会を務める「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)の名物コメンテーターとして知られた。最近は「安倍晋三信奉者」としても知られ、今年3月に評論活動から引退したが、9月の自民党総裁選の会場にも姿を見せ、最後まで永田町を駆け回った。

 

 三宅さんは15日朝、東京都目黒区の自宅で倒れ、搬送先の都内の病院で死去した。関係者によると、最近は心肺機能が衰弱し、外出時は車いすや酸素吸入機が必要な状態だったという。10月29日に入院、消化器系疾患の手術を受け今月8日に退院し、自宅療養中だった。


 毎日新聞の政治記者として活躍後、1976年の退社後はフリーの政治評論家となった。「TVタックル」では、鋭い舌鋒で現職国会議員とやり合うのが番組の名物だったが、「息が上がるんです。賞味期限が切れた」と言い残し、今年3月末で引退した。


 永田町関係者は「一線を退いてからは人工透析をしながら闘病生活を送っていたそうです」という。そんな三宅さんを奮い立たせたのが9月の自民党総裁選だった。


「三宅さんは安倍晋太郎さんの時代から安倍一族の信奉者で、総裁選の時には安倍晋三さんを応援しようと、自らが代表発起人となって勝手連に仲間を集め、安倍さんを総裁にしようと尽力していた」(同関係者)


 当時、まだ総裁選に出馬表明をしていなかった安倍総裁の元に、三宅さんら有識者28人が「内外の脅威にさらされているわが国の国家的危機を乗り越えるには安倍総理の再登板しかない」と声明文を届け出馬を促した。


「安倍さんが総裁に決まった時には自民党本部に駆け付けた三宅さんを見かけました。体調は相当きつかったはずですが、最後に“奉公”できたと思っているかもしれません」(同関係者)


 渡辺恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆(86)とは、政治部記者時代から約50年の交友がある。今年3月には、読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」で2人の対談が実現した。


 ちょうどTBS系で外務省機密漏洩事件が描かれたドラマ「運命の人」が放送されていたころで、三宅さん、渡辺氏ともモデルになった。本木雅弘演じる主人公の政治部記者の上司が三宅さんで、親友のライバル社の記者が渡辺氏。だが、渡辺氏をほうふつとさせる記者が、政治家から金をもらう記者として描かれたため、渡辺氏が週刊誌上で激怒していた。対談で三宅さんは「私たちは政治家とは対等に付き合っていた」と断言。政治家に対して一歩も引かない舌鋒の鋭さは健在だった。


「TVタックル」では19日の生放送で、三宅さんを追悼するコーナーを設ける予定だ。

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