東京都の舛添要一知事(67)の政治とカネの問題で、永田町や都議会ではポスト舛添の話題でもちきりだ。野党陣営から待望論が出ているのは、2年前の都知事選で話題をさらった小泉純一郎元首相(74)だ。

 都知事のイスに居座る気満々の舛添氏に対し、都議会関係者は「辞任は時間の問題。ただ、夏までに都知事選となれば4年後の選挙が五輪期間とぶつかる。秋以降になるでしょう」と指摘する。

 都知事選では橋下徹前大阪市長(46)や東国原英夫元宮崎県知事(58)などの名前が取りざたされる中、動向が注目されているのが小泉氏だ。

「前回の都知事選で細川護熙元首相をサポートし、政界に“復帰”した。知らない人はいないし、前回、維新や民主党の議員が細川陣営についたように、小泉氏が出てくれば野党共闘も可能でしょう」(野党都議)

 その小泉氏は26日、都内で講演し、改めて脱原発論を展開。

2年前の都知事選で候補者擁立に動いたのに触れ「猪瀬さんがやめると言いだし、原発ゼロで五輪をやろうと言えば、ゼロ運動に弾みがつくと若い人を探したが誰もいない。細川さんが義侠心を燃やして、出てくれた」と振り返った。

 78歳と高齢な細川氏に代わり、今度こそはと小泉氏への期待も高まっているようだが、本人にその気は全くないという。

「小泉氏は進次郎氏のことで頭がいっぱいです。進次郎氏は2020年以降の首相就任を目指し、党内基盤を固めている。時が来れば、脱原発を掲げ、トップに上り詰めると期待しているんでしょう」(永田町関係者)

「できたら私が生きているうちに原発ゼロを成し遂げたいなあ」と夢を語った小泉氏。その思いを実現するのは自身ではなく、息子に託しているようだ。