熊本地震を受けて民進党は「熊本地震災害対策本部」を立ち上げ、17日に第2回会合を行った。岡田克也代表(62)は「与党も野党もない」と、東日本大震災では政権与党だった経験を生かして今の政府に提言を行っていくと話した。

 ところが、批判が集中しているのだ。同対策本部ができた15日には、ネット上で「余計なことすんな」「協力しなくてもいいから、邪魔はしないように」など辛辣な意見ばかりが見受けられた。

 民進党公式ツイッターの騒動もあった。「一部の自民党の有力議員が原発対応についてデマを流して政権の足を引っ張ったのも有名な話です」との自民党批判が書き込まれ、削除したことが余計に批判を招いた。

 公式ツイッターが言及した“デマ”とは、東日本大震災当時に現首相の安倍晋三氏(61)が、「原子炉への海水注入を菅直人首相が止めた」と発信したことだ。後日、菅直人元首相(69)は名誉毀損で安倍首相を訴えたが、請求は棄却されていた。

 民進党関係者は「今でもあれはデマだったと思います。しかし、その後の菅氏の動きには我々もついていけません。菅氏が何かするたびに当時のことが蒸し返されて、党の批判につながってしまうのです」とため息をつく。災害があれば、誰もが当時のことを思い出すのはマイナスだ。

 一方、安倍首相の震災対応には今のところ批判が少ない。すでに収録されていた17日の「ワイドナショー」(フジテレビ系)は、放送見送りに。16日の熊本視察も中止した。現地視察で批判された菅氏を反面教師にしているかのようだ。

 一方の菅氏はブログで「九州は阿蘇や桜島など活火山が多く、今回の地震でも九州全域が揺れており、鹿児島県の川内原発が稼働を続けていることが心配だ」と書いている。民進党関係者は菅氏が何かしでかさないかと心配するばかりだ。