【軽井沢バス転落事故】注目は「長時間労働規制法案」国会で試される政治の本気度

2016年01月19日 09時00分

 乗客12人が犠牲になった長野県軽井沢町のバス転落事故を受けて今、注目されているのが民主党が今国会での提出を目指す「長時間労働規制法案」だ。

 民主党関係者は「今回のバス事故は、勤務管理が不十分だったことも問題。命に関わる産業でむやみに規制緩和をすることはいかがなものか。この法案には力が入っています」と話す。

 この法案にはサービス残業の禁止や、労働時間の上限設定の厳格化が盛り込まれている。バスの運転手にとっては、終業から始業まで一定の休息時間を取らせる「インターバル規制」が連続運転の回避につながると期待されている。ただ、衆参とも与党が過半数のため、提出しても成立への道は平坦ではない。「実は対立法案なので、世論の支持が欲しいところです」(前出の民主党関係者)。「残業代ゼロ法案」として批判が根強い、一部労働者を労働時間規制から外す政府の労働基準法改正案の対案だ。

 一方で、運転手に違法な長時間労働をさせたとして、神奈川県の運送会社と社長が13日に書類送検されるなど、業務用車両におけるドライバーの過重労働の問題はなくならない。この送検は昨年8月、静岡県浜松市でトラックが車列に突っ込んで6人が死傷した事故の責任が問われたもの。時間外労働に関する労使協定の届けを労基署に出さずに、昨年6月21日からの1か月間、法定労働時間を超える約131時間の残業をさせた疑いが持たれている。

 軽井沢の事故でバスを運行していた「イーエスピー」に対しては、国土交通省の特別監査が17日までの3日間実施され、ずさんな運行管理の実態が分かった。国が定めた基準の下限を下回る運賃での受注や、運行指示書が実態的には存在しないまま運行。道路運送法などの法令に違反する疑いがあり、国交省の担当者は「かなりひどい状態。徹底的に調べる」と強調する。行政の調査を受けて政治家はどう動くのか。