国会議員の「育休問題」大紛糾の一因に秘書の生活サポート減少

2016年01月14日 09時00分

 永田町で国会議員の育児休暇が大問題になっている。自民党の宮崎謙介衆院議員(34)が、妻の金子恵美衆院議員(37)の出産を控え、育休取得を宣言。12日の衆院予算委員会で、民主党議員から見解を求められた安倍晋三首相(61)は「軽々しくあなたのように答えるわけにはいかない」と答弁拒否。委員会は一時ストップした。

 安倍首相が育休取得の是非を語らなかったのは、世間にも自民党内にも賛否が渦巻いているからだ。

 谷垣禎一幹事長(70)は「自営業者に育休制度はなく、本人の判断で休業できる。議員も同じだ」と苦言。スキャンダルに見舞われた国会議員が国会から“雲隠れ”するケースが多々あるように、国会議員は休もうと思えば休める。あえて育休制度を整備する必要はないという考えだ。

 また民主党の蓮舫参院議員(48)は「2人とも国会議員の夫婦の育休は否定的立場をとる。時間的自由度が高い国会議員は、完全育休より公務との両立が可能です。かつ、国会議員の育休は、給与も全額保証で民間より遥かに優遇されている」と給与面から疑問を提示。もちろん賛成意見もあり、どちらの立場に立っても批判されることから、安倍首相は明快に答弁することを避けた。

 同業者、特に身内からもボッコボコに言われる宮崎夫妻。ベテラン議員秘書は世代間ギャップを指摘する。

「自民党では秘書に対して、生活面でのサポートを要求することが伝統的に多かった。子供の面倒もそうで、送り迎えとかを秘書にやらせるのです。議員というボスを頂点にしたファミリーに事務所がなるのです。しかし、最近の若い議員も若い秘書も公私の区別をつけるようになりました」
 かつて政策担当秘書のことを“生活”担当秘書と呼んでいたこともあったというが、もはやそんな時代ではなくなった。また、政治家においても共働きが多くなり、妻は家庭で子育てをという価値観とは異なってきた。

 宮崎氏が育休を取ったところで民間企業にいい波及効果があるかどうかは不透明だが、育児休暇を取る男性議員は増えそうだ。