維新の党からまた離党者が出た。埼玉が地盤の鈴木義弘衆院議員(52)は2日に離党届を提出。松野頼久代表(55)率いる執行部の党運営に不満があったというが、新たに設立されたおおさか維新の会にすぐに参加するわけでもないという。

 鈴木氏で離党者は8人目となった。維新関係者は「鈴木氏は当初、離党ではなく除名になるのが筋だという主張をしていました。悪いのはこっちではなく執行部だろうという考えがあったのでしょう」と指摘する。

 先に離党していた小沢鋭仁元環境相(61)らは政策グループを結成。下地幹郎元郵政民営化担当相(54)はおおさか維新の会に参加している。鈴木氏はそれらとは一線を画している。

 ここに中間派の“のっぴきならない事情”がある。鈴木氏に近い関係者は「鈴木氏は自民党出身なので、民主党と合流を考える松野執行部とは相いれなかった。かといって、おおさか維新の会は『おおさか』と党名にあるのがなんとも…。埼玉で『おおさか』を名乗るのがいいのかどうか」と説明する。

 結局、どちらにも行けないわけだ。

 永田町関係者は「『おおさか』の名称にこだわらなければ、中間派のほとんどが橋下徹大阪市長と行動を共にできたはずです。なんで『おおさか』にこだわったのか。11月の大阪W選挙に弾みをつけるためなのでしょうが、選挙が終わったらまた党名変更するのではないでしょうか」と話す。

 前出の鈴木氏に近い関係者も「気持ちはおおさか維新の会なので、最終的には一緒にやれればいいと思います」とこぼす。

 先月31日に結成したおおさか維新の会は国会議員19人になる見込み。「おおさか」が取れてからどれだけ増やせるか。