大阪府知事・大阪市長ダブル選(11月22日投開票)のイメージ戦略失敗? 自民党推薦で市長選に立候補する柳本顕市議(41)が共産党との距離を置こうと必死で、自民内部からは早くも焦りの声が上がっている。

 柳本氏は5月に行われた大阪都構想の賛否を問う住民投票で「反維新」の旗頭として共産と共闘。結果、都構想は否決され、橋下徹大阪市長(46)は政界引退を明言することとなった。

 今回の市長選も共産は早々に柳本氏の自主支援を表明。「反維新」で結束するものとみられていた。しかし、最近になって柳本氏を中心に連携を否定する動きを見せている。柳本氏はツイッターで共産への支援依頼を否定し「(共産が)勝手に応援して頂くことになった」と一方的な応援であることをアピール。さらに12日に行われた自民党大阪府連の大会で新しい会長に選ばれた中山泰秀衆院議員(45)も会見で「『自民党と共産党が相乗りで応援する』という誤解が広がっていた。(柳本氏は)生粋の自民党」と話し、共産のイメージを消そうと躍起になっている。

 また住民投票が行われた5月には柳本氏のおじにあたる柳本卓治参院議員(70)らが民主党の辻元清美衆院議員(55)とともに共産党の街宣車に乗り、「非常に気持ちがいい。兄弟と一緒におるような」と衝撃の発言もしていた。

 これについて中山氏は「共産党の街宣車に自民党の議員が乗るというのは寸前まで一回も聞かされたことがなかった。党の組織の改革というのも今、大阪の自民党には必要」と断罪し、今後は自民だけで選挙戦を行う方針を語っていた。

 急すぎるアピールには有権者のシビアすぎる反応があったという。柳本氏のツイッターを中心に共産との連携について批判的な意見が相次いだ。自民党関係者は「安保法制以降、共産党アレルギーが強くなっている。5月はこんなことなかったのに…。支持者が維新に流れ始めている。中山さんを中心に早急に『共産と共闘』というイメージを変えないといけない」と語る。選挙戦突入寸前で各党の動きが活発になってきた。