年金情報流出で民主関係者が指摘する厚労省の「隠ぺいマニュアル」

2015年06月19日 06時00分

塩崎恭久厚労相

 日本年金機構の水島藤一郎理事長(68)が17日の衆院厚労委員会で、年金情報流出の公表前にネット掲示板「2ちゃんねる」に内部情報を書き込んだ職員に対し、守秘義務違反で告発を検討していると明らかにした。民主党関係者は「それも問題だが、厚労省の情報隠ぺい体質の方が問題だ」と激怒している。

 年金情報流出をめぐって、特に問題視されているのが、5月8日に不正アクセスが検知されて以来、厚労省年金局の担当係長が1人で丸抱えしていた点だ。25日になってようやく係長は上司に報告。塩崎恭久厚労相(64)への報告が上がったのは28日だった。

「ウイルスに感染したかもしれない大問題を係長が上司に17日間も報告しないなんてあり得ない。厚労省は係長1人に責任を負わせるつもりじゃないか。これが厚労省の隠ぺいマニュアルですよ」(前出の民主党関係者)

 塩崎大臣への報告が遅いのも問題だ。もっと早く報告していれば、その後の対応はより迅速にできたかもしれない。実は塩崎大臣と係長の所属する年金局はバトル状態にあった。

「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)をめぐって大臣と年金局は対立していました」と別の民主党関係者。

 GPIFは国民年金と厚生年金の積立金の管理と運用を行うところ。昨年、GPIFは年金の積立金の株式運用に回す比率を上げた。

「年金を守る立場の年金局はこれに反対でした。だって運用に失敗すれば年金が失われてしまう。運用比率を上げて以来、大臣と年金局は“国交断絶”のようになったため、今回の報告が遅れたとみています」(前出の別の民主党関係者)

 また、GPIFの組織改革でも両者は対立していた。ケンカしている暇があったら、2次被害、3次被害を防ぐ手立てを考えるべきだろう。