SNS世代の選挙違反続出? 可決した「18歳公選法改正案」の問題点

2015年06月17日 10時00分

 選挙権年齢を現行の「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる公職選挙法改正案は15日、参院政治倫理・選挙制度特別委員会で全会一致により可決された。同法案は17日の参院本会議で可決、成立し、来年夏の参院選から適用され、未成年者240万人が新たな有権者となる。

 採決に先立つ質疑では、被選挙権年齢を衆院で「25歳以上」、参院で「30歳以上」と定めた現行規定の扱いに質問が相次いだ。法案提出者の自民党の船田元衆院議員(61)は「民主主義を充実させるには投票できる人を増やすのが大事だ」と強調した。

 これを受け、文部科学省と総務省は、新しい有権者向けの教材作りの作業を急ピッチで進めている。教材では、投票の仕方や選挙の仕組みを基礎知識編で解説。模擬投票や模擬選挙をするのに役立つ資料を付けることも検討する。

「心配しているのは未成年者の選挙違反。教材は選挙違反の具体例を示しているが、短期間でどこまで浸透させられるか」(与党国会議員)

 教材では前回の参院選から解禁されたインターネット選挙で、未成年者の有権者が陥りやすい選挙違反について紹介されている。

「特定の候補者を当選させたくて、その候補者の選挙運動メッセージをSNSで広める場合、新たに有権者になる18歳は認められるが、17歳以下が同じことをすると公選法に抵触する恐れがあります。応援する候補者の演説の様子をスマホで一緒に撮影してネットにその動画を投稿したら、18歳なら許されるが、17歳は禁止されている」(同)

 これまで未成年者の選挙運動が禁止されていたが、禁止年齢が18歳より下になるからだ。

 今回の改正案は与野党6党が共同提出。ほかの野党も「反対する理由が見当たらない」として全会一致という結果となった。

 ところが、一部からは「党利党略で決められた可能性が強い」という批判も上がっている。

「選挙の週と大学受験などが重なったらどうするのか。政党が乱立するなかで、自分の考えに近い政策や政党を選び出す作業は楽なことではない。選挙になればネット上の監視が厳しくなる。公選法違反者が出ても不思議ではない」と元国会議員は指摘した。