「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎代表(72)が19日、本紙の直撃取材に応じて、政界引退を表明した橋下徹大阪市長(45)に国政転身を打診したことがあったと明かした。

 小沢氏は、安倍晋三首相(60)率いる自民党が民主党から政権を奪回(2012年12月)した総選挙の直前、橋下氏と何度も極秘会談を持ちながら衆院選の出馬を打診していた。

「私は、橋下さんの政治家として大衆を説得し、人を引きつける能力を高く評価していた。あれは2回前の(衆議院)選挙だったかな。『統治機構の大改革であれば大阪の問題ではないんだ。全国、日本の行政、統治機構を変えることだから国政に参加すべきだ』と、数回にわたって彼と話したことがあります。しかし、彼は『自分は国政に出るつもりはない』ということだった。うーん。仕方なく今日まで来たんですけど」

 大阪維新の会幹部が政界引退を表明した橋下氏に対し「このまま引退させない」とラブコールを送ったことで、来夏の参院選出馬が取りざたされている。果たして橋下氏に政界引退を撤回して国政転身する意向はありそうなのか。

「やはり大阪都構想という旗印に政治生命をかけて、『自分はこれに負けたら辞める』と政界を引退するということを演説や会見でも言ってきたわけですから、私はその意味においては、特に維新の皆さんはなんとかして国会に出てもらいたいと思っているでしょうけども、引退という決意は変わらないだろうと。そう思います」(小沢氏)

 永田町で“剛腕”と呼ばれた男は寂しそうな目を見せた。