大阪市の今後はどうなる?「大阪都構想」が否決された大阪市の住民投票を終え、橋下市長は18日、市役所で幹部を集めた「所属長会」に出席し「(都構想を)実現できずトップとして申し訳ない」と陳謝した。12月までの任期を全うし政界引退すると表明しているため、ポスト橋下争いが過熱しそうだが、各党が足かせをかけられた。


 今後は11月に行われるとみられる大阪府知事、大阪市長のダブル選も戦いがヒートアップしそうだが、住民投票で勝利を収めた反対派の中核・自民党も楽な戦いはできない。


 住民投票で自民党は共産党や民主党と異例の協力態勢をとった。橋下氏が率いる大阪維新の会の幹部は「自民党と共産党は共通の敵の橋下代表がいたから共闘できただけ。次の市長選で同じ候補を擁立するとは思えない。共産党の理念を捨てるようなものだし」と語る。


 その上で今回の住民投票での“呉越同舟”がキーになるという。維新の会に対抗するため、自民党の国会議員が共産党の選挙カーに乗り「非常に気持ちがいい」と発言する前代未聞の出来事まで起きた。


「もちろん別々の候補を擁立したら『何もせず、反対のためだけに手を組んだ』と攻めるつもり。住民投票では同じ選挙カーに乗ってた人が戦う異常事態を市民に改めて知ってもらう」と前出幹部。


 ただ象徴である橋下氏を失う維新の会も当然、苦戦が予想される。「維新は橋下代表が作った。辞めるから知らんとは言わせない」と幹部はダブル選への協力を期待する。


 所属長会で橋下氏は「広げた風呂敷は、畳まなければいけない部分もあると思います。橋下がいなくなって、このまま残されても後で困るというものもあると思うので」と述べた。