安倍政権にとって難題となっているのが、沖縄県の米軍基地移設問題だ。2009年に誕生した鳩山政権が、県外移設を模索し失敗して以降もずっと解決できずにいた。沖縄の翁長雄志知事(64)は、普天間飛行場を名護市辺野古に移設することに反対して当選。当時よりも事態は複雑化している。
訪中していた翁長知事は、14日に中国の李克強首相と面会。沖縄と中国の経済交流の促進について話した。この訪中には政府関係者や官邸関係者も注目していた。
「菅義偉官房長官が翁長知事との面会を拒否したことが批判され、結局、沖縄を訪問したときに会ったものの、『粛々』という言葉が上から目線とさらに批判されることになりました。菅氏が沖縄問題をこじれさせたとの指摘もありますが、誰がやっても同じでしょう」と政府関係者は語る。
翁長知事は安倍晋三首相(60)との面会も求めている。いずれ避けられないだけに、関係者は翁長知事の本心を探ろうと必死だ。
前出の政府関係者は「翁長氏の発言はもちろん、ちょっとしたしぐさや表情、どうでもいいような何げないつぶやきを拾って、本音に迫ろうとしています。そんなの意味があるのかと思われるかもしれませんが、翁長氏がどこを落としどころに考えているのか分からないので」と言う。
面倒なプロファイリングをするくらいなら会った方が早そうだが、そうもいかないようだ。
「かつて翁長氏は自民党にいて、辺野古移設に賛成していたこともある。最近は共産党の支持まで受けていますが、本人としては共産党と同一視されたくないとの思いがあるようです。そこから妥協点が見いだせるといいのですが…」(自民党関係者)
お互いに振り上げた拳を下ろす日はいつになるやら。
翁長沖縄県知事に振り回される官邸 本心探りプロファイリング
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