韓国国防予算〝日本超え〟の正しい読み取り方 

2021年09月07日 11時05分

支持率低迷の文在寅大統領(ロイター)

 韓国国防省は先日、前年比4・5%増となる約55兆2277億ウオン(約5兆2600億円)の2022年度の国防予算案を国会に提出した。日本政府の21年度当初予算の防衛費5兆3422億円とほぼ並ぶ規模となる。日本の防衛白書によると、物価水準を考慮した購買力平価換算では既に日本を上回っている。

 韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏はこう語る。

「韓国が国防予算をアップした目的は、まず北朝鮮有事を想定したもの、そして日中に対するけん制でしょう。どちらにせよ、在韓米軍からの戦時作戦統制権の移譲をにらんでの『自主防衛』の強化が前提にあります。もはやアメリカは経済的、安保的に半ば韓国を見放した状態です。となれば、自前での防衛を強化する必要があります」

 また、韓国紙「中央日報」は先日、韓国が原子力潜水艦を導入すると報じた。

 但馬氏は「原子力潜水艦や、それに搭載する潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)は明らかに日本を想定したものでしょう。韓国の歴代政権が使ってきた伝家の宝刀、“困った時の反日”です。低迷する支持率を浮上するためにカンフル剤として反日を用いるのです」と話す。

 そもそも予算アップ自体にも対日本の意図がありそうだ。

「韓国では、日本というものは自分たちの存在を確認するための比較対象として機能しているという側面もあります。日本より上か下かは、常に彼らの関心事です。“防衛力で日本と肩を並べた”“日本を追い越した”というのは、国内向けのよき発奮材料となるのです」と但馬氏。

 もっとも、韓国経済は断末魔の状況で、国民の関心はそこにはないというのが実情だろう。韓国の国防予算アップは今すぐ、大きな脅威になるとは思えないが、やはり注視は必要だろう。

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