衆院選で相変わらず立候補者たちからの応援依頼が殺到している自民党の小泉進次郎氏(33)が、安倍晋三首相(60)も驚く街頭演説を繰り広げている。

 先月21日、進次郎氏は衆議院が解散された本会議場で「国民にはなぜ今、解散なのか分からない」という理由で恒例の万歳三唱を拒否。安倍首相の意向に背く行為で話題を集めたが、選挙戦に突入すると、自民党候補者の勝利に向けた応援に頭を切り替えて臨んでいる。

「進次郎氏は安倍首相と同様に比例代表の重複立候補を辞退した。前回の衆院選で、選挙区の神奈川11区で得票率79・9%を獲得している。野党は同選挙区で共産党以外、候補者が立てられなかった。地盤はすごい。地元での選挙活動は2日だけです」と自民党関係者。

 応援弁士として全国行脚する進次郎氏は、寒空の下に集まった大勢の聴衆を前に「アベノミクスの先のシンジロウ政策」を熱心に訴え続ける。

「私たちはアベノミクスの先を考えなければいけないと思う。そのためには、新しい成長モデルを構築し、どこの国もやったことがない、国づくりもしないといけない。社会保障にしても若者にツケを残さないようにしなくてはいけないのです」

 今回の選挙は、アベノミクスをめぐる経済政策をめぐって各党が争う展開だが、進次郎氏は独自の長期的な経済政策プランを訴え続けている。

 進次郎氏は“変人”として国民的な人気を集めた父親の小泉純一郎元首相(72)と同様、独自で強固な政治信条が評価されている。

「自民党の長期的な経済政策をこの選挙で訴えているとも取れます。安倍首相は小泉元首相のもとで官房長官をしていましたから、変人の遺伝子が進次郎氏に伝わっていることは承知しつつ『度胸がある』と驚いてます」(同)

 選挙期間中、進次郎氏は復興政務官として東日本大震災の被災地にも入る。