安倍晋三首相(60)が弱点を指摘された。2日公示の解散総選挙(14日投開票)を前に開かれた日本記者クラブ主催の党首討論会で、安倍首相のフェイスブック(FB)利用が突っ込まれたのだ。

 質問者が「FBは本人がやっているのか」と問うと、すかさず安倍首相は「個人のものと官邸のものがある。私と秘書で書いている。なるべく多くの人にタッチをしていきたい。先ほどの復興についても言わせてほしい」と、話をそらした。

 さらに質問者が「なぜFBについて聞いたかというと、一国の総理がいちいち社会現象にコメントするのかと疑問があった」とダメ押し。先日、「どうして解散するんですか?」という首相批判のサイトが、小学4年になりすました大学生によるものだった騒動があった。安倍首相はFBで「批判されにくい子供になりすます最も卑劣な行為」とコメント。賛否が分かれていた。質問者は「器が小さい」と言いたいわけだ。

「時代の変化だ。これまで私の生の声を聞くのは新聞社だけだったが、FBでみなさんに届く。批判はあるが甘受する。この選挙戦もSNSを活用していいとなったのだから、活用していく」(安倍首相)

 今後もFBでの発信を続けるようだが、自民党関係者は「FBで失言することが一番マイナスだ」と心配。谷垣禎一幹事長(69)も「今回は追い風でも向かい風でもない。こういう選挙は怖い。誰かが変な失言をするとパタパタとやられちゃう」と街頭演説で述べている。

 政府関係者は「すでに安倍首相には書き込みに注意するようアドバイスがされているはずです。ただ、なんとも言えない。家庭内野党である昭恵夫人から直接言ってもらった方が効果がある」と指摘。

 安倍首相がFBを我慢できるかが選挙のカギだ。