消費税率の引き上げを1年半先送り、21日に衆議院を解散し総選挙(12月2日公示、14日投開票)を断行する安倍晋三首相(60)が、高倉健さんの訃報を聞き、大きなショックを受けていた。

 安倍首相は消費増税の先送りについて有権者に信を問う意向で、経済政策“アベノミクス”の継続の是非を最大の争点に選挙戦に挑む覚悟を決めたが、日本映画界の大スターの死去に自ら悼むコメントを残せなかったことを悔やんでいる。

「1年前の昨年11月、安倍首相は健さんが文化勲章を受章した親授式で、談笑しています。文化、芸術、スポーツで活躍された方の訃報があるたびに自分の言葉でコメントを出していますから、健さんの訃報にも悲しんでいます。でもまさか、解散を表明した日にそんなニュースが入るとは、考えもしなかったでしょう」と政府関係者。

 衆院選では、自公連立与党で過半数が取れなければ退陣する意向を示した安倍首相。仮に与党で過半数が確保できたとしても自民党候補者の当選者が大幅に減少した場合、身内から“安倍降ろし”が始まるという。

「30議席落としたら来年4月の統一地方選が戦えないと判断され党内政局に発展します。50議席落としたら即、内閣総辞職となるでしょう」(同)

 多忙に外遊をこなし帰国した安倍首相だが、疲れた表情は隠せず、白髪が目立つ。唯一、気が抜ける時間は自宅で健さんの任侠映画などをDVDで観賞することだ。

 自民党関係者は「以前に出演したラジオ番組で安倍首相は『政治家を辞めたら、“ゴッドファーザー”と“仁義なき戦い”を足して2で割ったようなヤクザ映画を撮りたい!』と映画監督になる夢を語っている。映画監督になったあかつきには任侠映画で活躍した健さんに出演依頼していても不思議ではなかった」と打ち明けた。

 安倍首相は健さんの死への悲しみを胸に秘めて選挙戦をスタートする。