安倍首相 消費税引き上げめぐり“ギャング大臣”の顔色うかがい

2014年11月06日 11時00分

 安倍晋三首相(60)が、来月初旬に判断する消費税率10%への引き上げについて、政権内で賛成を主張する麻生太郎副総理兼財務相(74)の“ご機嫌とり”に必死だ。

 政府は4日、有識者による景気点検会合を開き、再増税判断に向けた本格的な議論に入った。初会合の同日は、意見表明した8人のうち5人が予定通り来年10月に再増税することに賛成した一方、3人が延期や実施見送りを求めた。

 安倍首相は同日、参議院予算委員会の集中審議で、消費税率引き上げについて「社会保障制度の維持を目的に必要な法律を成立させたい」と説明。予定どおり引き上げるかどうかは、7月から9月の国内総生産(GDP)などを踏まえ、景気の動向をよく見極めて判断する考えを重ねて示した。

「安倍首相が政権内で消費税率引き上げについて相談できるのは、菅義偉官房長官ぐらいです。一時、政治とカネの問題で消費税を先送りするムードもあった。しかし、週明け早朝の閣僚会議で、麻生さんが隣に座る安倍首相に“増税ありきだ”とプレッシャーを与えているようだと、評判になった」とは政府関係者。麻生氏は「財政再建に向けて、消費税率10%への引き上げは予定通り行うべきだ」という主張を続けている。

 自民党関係者は「麻生さんは9月下旬に行われた財務相・中央銀行総裁会議でも、財政再建に向けた取り組みを着実に進めると断言した。消費税の引き上げは国際公約で、先送りはできない意向です」と指摘する。

 海外の行事に出席する際、麻生財務相は黒の帽子を斜めにかぶり、襟元に毛皮がついた黒のコートを着こなす“ギャングスタイル”が注目される。

「麻生さんは“ギャング”の貫禄だし、安倍首相も長期政権を目指す上で敵に回したくない政治家です。前回の総裁選は、麻生さんのプッシュもあって勝てた。消費税を先延ばしするなら、両者の信頼関係にひびが入ります」(永田町関係者)

 安倍首相に苦しい選択が迫っている。