ブレア元英国首相らが語ったグローバリズムの課題と可能性

2014年10月27日 12時00分

左から平林博氏、伊藤憲一氏、ヒシャム・バドル氏、フィデル・ラモス氏、ジョン・ハワード氏、半田晴久氏、トニー・ブレア氏、カート・キャンベル氏、ラルフ・コッサ氏、ブレンダン・スキャネル氏

 世界の識者が集う「世界オピニオンリーダーズサミット」(主催=NPO法人世界開発協力機構)が先日、都内で行われた。3度目の開催となった今回は、トニー・ブレア元英国首相やジョン・ハワード元オーストラリア首相、フィデル・ラモス元フィリピン大統領、カート・キャンベル元米国務次官補ら超大物が来日。彼らはサミットの発起人で、この日のモデレーターを務めた半田晴久氏、ゲストとして来場した自民党の高村正彦副総裁らと“グローバリズム”をテーマに持論を展開した。集まった1800人の観衆や各国のヤングリーダーたちは、各国の首脳経験者が語る現在の世界情勢に熱心に耳を傾けていた。

 ひと口に“グローバリズム”といっても経済、政治、安全保障など、あらゆる側面から目を向ける必要がある。

 2部構成のサミットの第1部で基調講演を行ったジョン・ハワード氏は、経済面で“グローバリズム”がもたらすメリットとデメリットを指摘した。

 冒頭では、オーストラリア史上2番目に長い12年間首相を務めた経験から「過去30年の経済のグローバル化は貧富の差を生み出し、数億人を貧困に追いやりました。今後も増える可能性はありうる」と言及。世界規模の経済の結びつきが逆に負の連鎖を起こす可能性を懸念する一方で、「過去の日本や昨今の中国、ベトナム、インドネシアの台頭は経済的な潜在能力を表しています。(その恩恵をもたらす)グローバリゼーションは貧困の敵ではなく、友と思うべきです」との見解を示した。

 またグローバル化に不可欠な要素として、「政治家を志すなら権利を主張するのではなく、人々の暮らしなどを理解することが前提です」と未来を左右するヤングリーダーたちにエールを送った。

 休憩を挟んだ第2部では、この日のパネリスト全員がステージに登壇。まずはブレア氏のスピーチが行われた。

 ハワード氏同様、現在の世界は一つの事象が連鎖する“相互依存型”となっていることを強調。米連邦準備制度理事会による量的緩和の縮小継続宣言がマーケットに及ぼした影響やエボラ危機、アジアの安全保障を引き合いにあらゆる事象が世界レベルで普及する現状を訴えた。

 その上で、首相在任時に“テロの根絶”を掲げていたブレア氏は、現在の中東の混乱に「はっきりと目に見えるシリアやイラクを筆頭にテロの脅威が台頭しています。この問題にも世界の相互依存の観点から各国が積極的に参加しなければならない。日本のみなさんも関心を持つべきです」とリクエスト。これからの“グローバリズム”に、「単に金融危機、安全保障をクリアすればいいという問題ではありません。民主主義、資本主義を掲げる国々がリーダーシップを発揮し、子供が安心して住める環境をつくり出すことが必要です」と説いた。<次のページへ>