小渕優子氏(40)から大臣の座をバトンタッチされた宮沢洋一経産相(64)は21日、就任後初めて記者会見し「原発は重要なベースロード電源であり、原発の再稼働は進めていく」と方針を語った。宮沢氏には東京電力株大量保有疑惑があったが、野党の反応はなぜか弱い。

 民主党関係者は「経産相が東電株を持っているのは違和感があるのですが、党内で追及しようという雰囲気になっていないですね」と首をかしげる。

 宮沢氏は参院選当選後の2010年に資産報告をしている。それによると東電株588株、新日本石油525株、川崎重工1000株となっている。13年末の資産等補充報告書では東電株12株を買い足している。きりのいい600株にしたとみられる。

 野党関係者は「東電、新日本石油、川崎重工という銘柄を聞くと、株で儲けようというより資産として保有しているのだと思います。はっきり言って600株なんて少ない。ほかの大臣の資産を見てください。株なら何千株、何万株という単位ですよ。追及するにはちょっと弱い」と話す。

 永田町関係者は「電力会社の株を持っている議員は多いんじゃないか。原発事故があった今はともかく、昔は電力会社は安定しているから、とりあえず保有するって人いたでしょ。その流れで持ち続けている人はいる。だから、野党も下手に責めたらブーメランだ」と指摘する。

 ところで、宮沢氏は東電株でどれだけの含み損をしたのか。市場が閉まる直前に東日本大震災が起きた11年3月11日の東電株の終値は2121円。震災前から保有していた588株で計算すると、124万7148円になる。21日の終値は330円で、588株は19万4040円になる。その差はマイナス105万3108円だ。

 それでも違和感は残るが…。ちなみに、大臣在任中は株の取引は自粛との取り決めがある。