号泣謝罪で日本はおろか世界中を騒がせた野々村竜太郎元兵庫県議(48)に、理研の小保方晴子ユニットリーダー(30)も驚きの「切り貼りによる明細書の偽装疑惑」が浮上すれば、同じ兵庫県議の桐月一邦氏(38)が無免許運転で2日、書類送検された。桐月氏は昨年、女性県議へのセクハラ発言があった“前科者”だ。兵庫県議会はもはや、完全に無法地帯となっているのか。

 野々村氏はカラ出張など不正支出の疑惑が持たれる政務活動費1800万円を返納し、議員を辞職している。だが、やはりそれだけでは済みそうにない。新たに持ち上がったのは、クレジットカードの利用明細書の改ざんだ。昨年度の収支報告書に添付された明細書のコピーには、事務用品で1000円以下の支出が並ぶ中、4月11日にイオンのスーパーマーケット「マックスバリュ」で17万7280円の購入履歴が記載されている。

 前後も“マックスバリュ”だが、この突出した17万円の項だけ印字が太く、影も入っている。捜査関係者によれば、押収した明細書ではその部分の記載が異なっており、野々村氏が切り貼りして改ざんした疑いがあるのだ。

 野々村氏は政務費返納と議員辞職のケジメで、幕引きを図りたい構えだろうが、捜査当局は同氏から事情聴取する方針。

 議会関係者は「野々村さんは安いマックスバリュが大好きだった。生鮮食品や飲料が中心の店で、17万円も買い物できないのは野々村さんがもっとも分かっていたんじゃないか」と苦笑いで語った。

 騒動直後から、非公開にしていたツイッターを7月末に解禁した野々村氏。しかし、不正支出について謝罪はなく、7月中旬にお笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳が率いるバンドのライブに招待されていたにもかかわらず、行かなかったことについて謝る内容のツイートのみを更新していた。一方、議員の自覚と反省の2文字がないのは桐月氏だ。桐月氏は6月30日、仮免許中にもかかわらず自宅近くを1人で運転した道交法違反(仮免許運転違反)の疑いで書類送検された。桐月氏は2年前に免許失効したため、教習所に通っている最中だったという。

 桐月氏が問題を起こしたのはこれが初めてではない。昨年10月、当時所属していた自民党の懇親会の席で同僚女性県議に「女性は金で買うもの。1万円でどうや!?」と言って、抱きついたセクハラ行為を働いた。議長から厳重注意を受け、同党議員団の退団を余儀なくされた元祖セクハラ地方議員でもあった。

 ちなみに当時、この不祥事を徹底追及していたのは野々村氏で、「(セクハラ騒動の)外形的事実だけで、議員自身が出所進退を決断するのは十分。議員辞職するよう勧告する」と突き付けていたが、今となってはどっちもどっちのお寒い限りだ。