中国共産党が習主席の偶像キャンペーンに注力する理由

2014年08月26日 16時00分

 中国共産党の宣伝部門が、習近平国家主席(61)を崇拝させるプロパガンダに力を入れている。共産党機関紙「人民日報」は、習主席が国事で奔走する様子をクローズアップして掲載。


「7月は27回、朝刊の1面で習主席を扱いました。今月も、雲南地震の関連報道で必ず1面で習主席の指示や講話を紹介。習主席を中心に、救助活動が展開されている印象を国民に与えています」(日本の政府関係者)


 こうしたキャンペーンは、過去に行われた“毛沢東崇拝”の手法を使ったものとみられる。


 今月4日、中国各メディアはネットユーザーが書いた「老呉」ブログ論文を一斉に転載した。タイトルは、「習主席は人民の厚い信頼を勝ち取った」。習主席に対する過剰なまでの賛美が記されている。


 中国のネット普及率は近年急速に伸びており、昨年段階で全人口の50%弱。ネットユーザーは5億6000万人程度といわれる。中国版ツイッター「微博」などでは、政府が検閲しきれないほどの、習主席への批判も書き込みされ、習主席への崇拝キャンペーンが効果的だったかについては疑問視する見方が出ている。


「習主席は指導力が発揮できないといわれている今、無理やり虚像作りをしても、逆にネットユーザーからブーイングが起こる可能性が高い」(同)


 習主席の偶像キャンペーンの背景には、11月に北京で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議に合わせ、日中首脳会談を実現させたい裏事情があるといわれている。


 自民党議員は「中国は、日本が尖閣諸島の領有権をめぐって争いがあることを認めない限り、日中首脳会談に応じない姿勢を示してきたが、年内に日中関係を打開したいのでは。習政権は支持率低下をはじめ、国内問題にエネルギーを注ぐためにも、日中関係を含む対外関係はできるだけ沈静化させたほうが都合がいい」と話している。