霞が関・役人の長時間労働問題の元凶…恥をかきたくない大臣の完璧な“問取り”要求に

2021年03月01日 11時30分

西村大臣

 一晩7万円もの和牛ステーキや海鮮料理をゴチになる高級官僚がいる一方で、霞が関の役人たちが疲弊している。国家公務員制度担当大臣である河野太郎氏は「霞が関は危機的状況で、働き方改革が急務だ」と改善に前向き。国家公務員の長時間労働はよく話題になるが、特に野党議員の質問通告が遅いことがヤリ玉に挙げられている。

 昨今、目立つのが国家公務員を名乗る匿名のツイッターアカウントだ。多くが労働環境の改善を訴えている。

 なかでもよく取り上げられるのが質問通告だ。国会審議では質問に立つ議員が事前に質問内容を省庁サイドに通告している。それをもとに役人たちが大臣の答弁する内容を記した書面を作成している。質問通告が遅くなればなるほど、役人たちの労働時間は増え、帰宅する時間も遅くなっていく問題があった。

 質問通告を早くすることで与野党は一致している。入庁数年目の若手を名乗る役人のツイッターは質問通告が早まっていることを認めつつも、「大量に通告して結局ほとんど消化されないのはどうにかならないんですかね」と指摘。通告しておきながら時間不足で質問しないことはよくある。別の若手を名乗るツイッターは「前日の深夜近くに通告する議員もいます」と指摘している。

 これまでも野党議員の質問通告がギリギリだと指摘されることは多かった。このことが国家公務員の働き方改革を滞らせているのか。

「それだけが原因とは言い切れないんですよ」と話すのは野党関係者。「質問通告が遅い人がいたことは改善しないといけませんが、実は役人が長時間労働になるのは“問取り(もんとり)”にも理由があります」

 問取りとは役人が質問する議員から事前に質問内容を確認すること。大臣の答弁を作るためには必要な作業だが、「やけに細かく時間をかけるのです。それは国会答弁で恥をかきたくない大臣が役人たちに完璧に質問を聞いてくるように言いつけるからですよ。役人たちも怒られたくないから細かくなる。質問通告が早くてもここで時間をかけたら意味がないでしょう」(前出の野党関係者)という。

 新型コロナウイルスが広まってからは、テレワークも叫ばれている。問取りなどでも対面せずに済むならそれに越したことはない。しかし、必ずしも導入は進んでいない。

 野党議員の方から「問取りはZoomでも対面でもいいです。対面なら密にならないよう事務所に来る人数は少なくしてください」と役所側に伝えても、「大量の人数で事務所に来るんです」(ベテラン秘書)。

 テレワークでさばけるシステムが役所にはないため、役所の都合で対面になるという。大勢で来るのは前述したように大臣に怒られないために細かく調整するためだ。

「今の内閣で一番質問チェックが厳しいのは西村康稔大臣ですね。ただ、コロナ担当だから、なるべくきちっと答えたいというのは理解はできます。過去にもっとひどい人もいましたし…」(同秘書)

 野党のせいと言っているだけでは解決しないのではないか。

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