細田派の人材不足、菅首相への怒り…安倍前首相が意地でも議員辞職を拒む理由

2020年12月24日 22時14分

安倍前首相

 安倍晋三前首相(66)が、「桜を見る会」の前夜祭にまつわる政治資金規正法違反事件で、不起訴処分となったことを受けて議員辞職を否定した。

 衆議院会館で24日に開いた会見は、平河クラブ(自民党を担当する記者クラブ)限定。安倍氏が会見で自身の政治責任を問われ「職責を果たしていきたい」と議員辞職を否定したことで「来年(総裁に)再登板したいのか」と、フリーランス記者は話す。

 身内の自民党議員は、安倍氏が「自ら辞職にストップをかけた」とした上で、その理由に自民党の〝お家事情〟があると指摘する。党内では、総理を辞職した安倍氏は「細田派会長にカムバックする」との見方がされているという。

「下村博文政調会長の評判が派閥内でいまいち。西村康稔経済再生担当相は、まだ(派閥のトップになるのは)早いと言われていて、安倍氏は党内のパワーバランスを考慮すると、議員を辞めるに辞められないのが本音でしょう」(自民党議員)

 さらに安倍氏は、菅義偉首相(72)が総理大臣就任後、安倍氏の側近たちを切り捨て反旗を翻したことに激怒。来年の総裁選で〝菅降ろし〟につなげたい意向がある。

「検察が『桜を見る会』前夜祭の会費を安倍氏が補填したとして捜査を行った背景には、菅首相が捜査を黙認したからです。細田派、麻生派は、菅首相に対して怒り心頭です。安倍氏は菅首相を引きずり下ろせば、次の衆議院に出ないかもしれない」(自民党関係者)

 その一方で自民党議員は「年明け、補正予算、来年度の予算が成立すれば、菅首相はフリーハンドになれる。党内事情や野党の状況を見ながら、衆院解散の勝負に出る観測が持たれています」と話しており、党内の緊張関係は来年も続きそうなムードだ。

 対する野党は、立憲民主党の蓮舫氏(53)が不起訴処分になった安倍氏に「政治責任は、なおあります」とツイート。来年1月18日招集予定の通常国会では、蓮舫氏をはじめとした野党による安倍氏に対する説明責任を菅首相に叩きつけることが予想される。

 さらにツイッターでは責任を秘書に〝丸投げ〟した安倍氏に対する抗議が続出。「#安倍晋三の不起訴処分に抗議します」には16万件以上の怒りの声が上がっている。その中身は、安倍氏の118回に及ぶ国会での虚偽答弁や議員運営委員会でなく、証人喚問に応じて真摯に説明してもらいたいというもの。前首相が議員のイスにこだわれば、自民党が大きなダメージを負う可能性も高まっている。

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