GoTo全面停止も時すでに遅し 〝深夜酔客〟は危機感なし

2020年12月15日 11時36分

菅首相

 菅義偉首相は14日、新型コロナウイルスで苦境にあえぐ観光業支援のための「GoToトラベル」を今月28日から来年1月11日までの間、全面停止することを決めたが、遅きに失した感は否めない。すでに札幌市と大阪市を目的地とした旅行が除外されていたが、東京都と名古屋市への旅行も全国に先立って27日まで除外する。

 同日の対策本部会合で菅首相は「皆さんが落ち着いた年明けを迎えることができるように、最大限の対策を講じる」と説明。11日のネット番組ではGoToトラベルの見直しについて「考えてません」と語っていたことを思えば、急変したと言っていい。

 小池百合子東京都知事もこの日、会見し、酒類を提供する飲食店の時短営業の延長を要請した。GoToトラベルと同じく来年1月11日までとしている。国と都で意見の相違もあったが、小池氏は「国難を乗り越える思いを国と都で共有できた」と述べた。

 後手後手の対応のツケは国民に回ってくる。

「全国で一日の感染者が2000人を初めて超えたのが11月半ば。あの時、2~3週間ほど外出自粛を強く打ち出しておけば、こんなことになっていなかったかもしれない。11月より年末年始のほうが繁忙期ですから、飲食業界を中心に困るところが多いでしょう」(労働問題に詳しいジャーナリスト)

 問題はGoToトラベル全面停止のメッセージが、どこまで浸透するかだ。「今でも終電間際の電車内で泥酔して動かなくなっている人を見かけます。時短営業をやっていない店があるということでしょうね。危機感はないですよ」と40代サラリーマンは指摘。

 春の緊急事態宣言のころは緊張感があったが、その後のGoToキャンペーンで新型コロナへの危機感は、すっかりマヒしてしまっている。果たして来年1月11日で終わるのか――。

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