日本維新の会の東西分裂が本格化してきた。

 維新と結いの党は今夏までに合流することを前提に連携を進めている。19日には両党の幹事長会談が行われ、参議院での統一会派結成について話し合いも行われた。

 だが、その動きに逆らうような動向を見せているのが維新の石原慎太郎共同代表(81)、平沼赳夫国会議員団代表(74)らだ。18日には田母神俊雄元航空幕僚長(65)と食事会を開催。東京都知事選の慰労会という名目ではあるが、突っ込んだ話も出ていた。

 石原氏が「国政に入ってほしい」と呼び掛けると、田母神氏は「国政で活躍したい」と意欲を示したという。

 永田町関係者は「今週末に田母神氏は政治資金パーティーを開きます。政治家となる決心をしたそうで、見据えているのは参院選ではないでしょうか。都知事選で60万票を取ったことを考えれば、東京選挙区から出馬もあり得るでしょう」と指摘する。

 田母神氏に近い関係者はかねて「田母神新党」に言及していた。この田母神氏の慰労会に駆け付けた約10人の国会議員が中核メンバーとなる可能性が高い。「結いの江田憲司代表にアレルギーを持つ議員は多い。江田氏は正論を言うけど、堅物なので下で働きたくないんですよ」(前出維新関係者)

 現在、もう1人の共同代表である橋下徹氏(44)が大阪市長選の最中。

 維新関係者は「結いとの合流話が着々と進んでいる以上、分裂に向けた動きをもう隠しようがなくなっているということです。少し前に、若手議員が石原氏に『出て行け』とかみついたことがあったように、お互い一緒にいるのは無理だと分かっています。市長選なのでお互いに批判をして騒動にすることはしませんが…」と明かす。

 市長選後は結いと合流する維新と「田母神新党」に合流する維新との二分は避けられそうもない。