籾井勝人NHK会長(71)のクビ取りプランが永田町で検討されている。籾井氏は1月の就任会見で「慰安婦制度はどこの国にもあった」などと発言。これが大問題となった。さらに、NHK理事らの辞表を預かるなど、強権的な手法が公共放送のトップとして疑問を投げかけられている。


 よく指摘される戦術はNHK予算案の可決と引き換えにするというもの。民主党関係者は「これが一番でしょう。与党も乗ってくれることが前提ですが、自民党内にも籾井氏に不満を感じている人はいますから」と期待する。しかし、籾井氏は安倍晋三首相(59)のお墨付きなだけに、おぼつかない。


 籾井氏と安倍首相は強い絆で結ばれている。永田町関係者は「籾井氏はNHKでまるで天皇のように振る舞っていると現場から苦情をよく聞く。安倍首相の威を借りて誰の言うことも聞かない。NHK内にも派閥があるが、まったく意に介していないそうだ」と明かす。


 予算案を人質にする正攻法が通用しないことも考えられる。政府関係者は「国会に呼ばれて批判されまくっている籾井氏ですが、ほとんどの追及は右から左に聞き流しているだけ。かなりの強心臓です。唯一、取り乱したのがお金の話。NHK会長の年収が約3100万円であることを暴露されたときは焦っていました」と話す。


 金の話に野党も目をつけている。「ずいぶん金にがめついのかなと思いましたよ。もしかしたらそこが突破口になるかもしれない。過去に金銭トラブルがあれば、そこから会長としての資質があるか問うことができる。何か聞いたら教えてくださいよ」と野党関係者。


 6日の定例会見で報酬返納の意思を聞かれると、「今はそういう状況ではないでしょ」と否定。辞める気なんてさらさらない。