敗北認めぬトランプ大統領「中国金融焦土化」「台湾電撃訪問」…〝最後っ屁〟で日本大打撃も

2020年11月17日 06時15分

選挙後のトランプ大統領(右)はゴルフ三昧(ロイター)

 米大統領選で民主党のバイデン前副大統領(77)の勝利が確実となってもトランプ大統領(74)は「不正選挙だ!」とかたくなに敗戦を認めていない。トランプ氏はさまざまなシナリオを練る中、バイデン氏が覆すことのできない〝レガシー(遺産)〟を置き土産にする可能性がある。巻き添えを食らう恐れのある日本にとって、対岸の火事ではない。

 大統領選はバイデン氏がトランプ氏を大きく引き離して、選挙人を獲得する見通しだ。ところがトランプ氏は15日もツイッターで「私は選挙に勝った!」と投稿。既に選挙結果を巡り、複数の訴訟を起こしている中、「大型訴訟が近く提起される」と予告した。

 大統領選のスケジュールでは来月8日までに各州が選挙人を確定させ、同14日に選挙人が投票することで最終結果が出る。新大統領は来年1月20日に就任するが、トランプ氏は敗戦濃厚だとしても就任式の正午まで大統領の職にある。

 トランプ氏は「この政権では新型コロナに対し、ロックダウンはしない」と経済の優先を改めて宣言しているように、バイデン氏がどんなコロナ対策を訴えても現状、即変わることはない。

 この状況に作家で、経済評論家の渡辺哲也氏は「来年1月20日までにトランプ大統領はバイデン新大統領が覆せないような不可逆的決定を下す可能性が考えられます。IEEPA法(国際緊急経済権限法)をどのレベルまで持っていくかが注目される」と指摘する。

 トランプ氏は12日、中国人民解放軍が支援していると米政府が認定した中国企業31社について、来年1月11日から米企業や個人の新規投資を禁じ、同11月までに保有株式の売却を命じる大統領令に署名した。中国企業には通信大手のチャイナテレコムや、ファーウェイ、監視カメラ大手のハイクビジョンなどがリスト入りしている。

 この大統領令の根拠になっているのがIEEPA法だ。さらに対象企業が加わり、制裁内容も厳しくなる恐れがあるという。

「アリババ(EC大手)やテンセント(ネット大手)、さらに中国4大銀行も対象に入れ、売買禁止も含めた総合的な金融制裁に広がる可能性がある。これは中国の金融に対する焦土作戦ですが、米市場の株価も下がるためにこれまで踏み込めなかった。ただ、もう怖いものなしのトランプ大統領だけにどこまで杭を打つかが注目される」(渡辺氏)

 バイデン氏の当選や菅新政権の誕生を受け、日本の株式市場は高値更新を続けているが、もしこの金融制裁が発動されるとなれば、米中貿易戦争の時以上に株価が大暴落する事態もあり得る。

 さらなる仰天シナリオがトランプ大統領の台湾訪問だ。

「トランプ大統領が台湾を電撃訪問し、国家承認し、安全保障条約を結ぶ可能性もあるでしょう。かつて、キッシンジャーから(続いて)のニクソン大統領による電撃訪中で、米中国交正常化となったが、その逆をいく。台湾問題に円満解決はなく、ハードランディングしかない。これまで米議会は国家承認の動きで進んでいた中で、トランプ大統領が最後に歴史を残すかもしれません」(渡辺氏)

 台湾問題もトランプ大統領が強行した場合、難しい立ち位置となるのは日本だが、推移を見守るしかない。いずれにしろ、トランプ大統領が不可逆的決定を繰り出せば、世界に混乱を与えるのは必至。〝トランプ劇場〟はまだまだ終わらない。

 

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