愛知県岡崎市「市民全員に5万円」否決濃厚 新市長の「公約破り」解決策は?

2020年11月10日 11時01分

品川区の場合とは違った…

 愛知・岡崎市の新市長の選挙公約が物議を醸している。岡崎市議会臨時会が9日に開かれ、先月の市長選で「全市民38万人へ5万円支給」の選挙公約を掲げて当選した中根康浩市長(58)の政策を含む補正予算案の審議が始まった。

 中根市長は選挙公約実現へ向け、財源約195億円を確保するため、使途が自由な財政調整基金の取り崩し、公共施設整備などに積み立てた5つの基金を廃止する補正予算案を提出。「市民の所得を増やし、お金を回し好循環をつくる。新型コロナにより生活が困窮している人がいる。第3波にも対応してもらう」などと理解を求めていた。

 だが、市議会側からは「災害対策や学校、保育園の修繕などができなくなる。市民サービスが低下しかねない」と実現不可能という声が多数を占めた。
 市議会で否決されるのが濃厚なことから、中根市長は支給対象を全市民から市民税非課税者約18万人に絞る政策変更を検討し始めた。これには当然ながら、市民から「5万円支給するというから投票したのに詐欺だ」などの声が噴出している。

 同じ一律給付でいえば、今夏、東京・品川区が全区民に1人3万円、中学生以下に5万円を支給し話題になった。何が岡崎市と違ったのか。

「品川の場合は区議会が可決し、財政調整基金の範ちゅうで財源をまかなったが、岡崎市の場合は市長選で実現不可能な大風呂敷を広げた候補が当選し、まっとうな市議会が反対した構図」と政界関係者。

 加藤勝信官房長官も9日、この問題を問われ「私ども自民党は当然、実現できるものを公約として掲げている。国政での選挙公約は国民が投票する際の材料となる。民主主義の仕組みとして重要だ」と話した。

 市民の怒りは相当だろうが、「法律的にはリコール(解職請求)で解決するしかない。だが、市長側には多少公約が変わってもそこまでにはならないという算段があるのではないか」(前出政界関係者)ともみられている。

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