国会では今週も「永遠の0」で知られる作家の百田尚樹氏(57)の話題が続いた。百田氏は東京都知事選で元航空幕僚長の田母神俊雄氏(65)を応援。演説で「南京大虐殺はなかった」と発言し、さらにほかの候補者を「人間のクズみたいなもの」と批判していた。一連の発言がNHK経営委員としてありなのかと、予算委員会で取り上げられているのだ。

 野党の追及に対し、安倍晋三首相(59)は「ある新聞は私のことをほぼ毎日のように『人間のクズ』と報道しておりますが、私は別に気にしておりません」とはぐらかした。また、「経営委員が個人的に行ったものについて、政府としてコメントすべきではない」と深入りを避けた。応援を受けた田母神陣営も「言論封殺という左翼のやり口だ」と反発している。

 民主党は百田氏の国会招致を求めたが、自民党は拒否している。自民党関係者は「そりゃそうですよ。問題じゃないんだから。朝日新聞とかが『問題になりそうだ』と火をつけているだけ。朝日の記事にも規則上は問題ではないと書いてあった(笑い)。いつものやり方じゃないか。こんなのは放っておくに限る」と静観を決め込んでいる。

 ところが、渦中の百田氏がツイッターで暴れているのだ。「実に残念や!国会に出て、思う存分、喋りまくって、前代未聞の国会答弁をしてやろうと思ってたのに…。本当にがっかりや!」「民主党、もっと頑張って、自民党に要求して、百田尚樹を国会に呼び出せよ! びっくりするようなこと、いっぱい喋ってやるから」などと自ら国会招致を望んでいる。

 沈静化を図りたい自民党にとっては頭の痛い日々が続きそうだ。