東京都知事選で当選した舛添要一新都知事(65)に、スキャンダル追及の手が待ち構えている。選挙期間中にも“政治とカネ”や女性蔑視問題、選挙違反疑惑が噴出。圧勝したとはいえ、今後もネガティブ報道が続きかねない情勢となっている。早くも「年内にもう1回、都知事選がある」と物騒なことを喧伝する勢力もあるが、舛添氏は耐えられるのだろうか。

 当選から一夜明けた10日、舛添氏は国会を訪れ、安倍晋三首相(59)ら自民党幹部に当選のあいさつをした。明るい話題のはずが、記者団に囲まれた舛添氏はイラ立ちを見せた。

 都政で課題となっている認証保育所について聞かれると、きっちり説明。ところが「厚労大臣の経験もあって、国の立場も分かっていて、都政をやるんだから心配いりません。今日は総理との話をしてきたことへの質問ですから、他のことは別の機会に聞いてください」と急に不快感も示した。

 立て込んだスケジュールにストレスがたまっていたのだろうが、別の事情もありそうだ。都知事選を戦った他陣営からは「年内にもう1回選挙になる」との声が盛んに上がっている。というのも、選挙中に舛添氏にまつわるスキャンダルが出回ったからだ。

 代表を務めた新党改革をめぐる政党助成金不正流用疑惑、愛人の存在などの女性問題や女性蔑視発言、さらには選挙違反疑惑まである。

 永田町関係者は「共産党が『ガンガン攻める』とヤル気でいます。都議会では自公がフォローすると思いますが、内容にもよるでしょうね」と指摘。当選しても気が休まらないわけだ。

 そんななか「いや舛添氏はそう簡単に潰れませんよ」と話すのは自民党関係者。舛添氏が出馬した2007年の参院選でこんなエピソードがあるという。

「大阪で選挙運動をしていた舛添氏が、暴漢に襲われたのです。といっても殴られたのは関係者で、舛添氏に対しては“猫パンチ”ぐらいのものだった。その時、舛添氏は『これで選挙はイケそうだ』と目を輝かせたというんですよ」

 当時、舛添氏はマスコミに「右手首を異常な握られ方をした」と説明。足を引きずる姿は事態の深刻さをうかがわせた。

「実際はそこまでではなかったはずなのですが、“さすがだ”と思いましたね。マスコミにも大きく取り上げられましたから。批判する人もいるかもしれませんが、選挙ではこれくらいのことは必要です」と同関係者。

 この時の参院選は第1次安倍内閣で、自民党は惨敗している。舛添氏といえども不安があった。今回も逆境をはねのけるとっておきの策があるのかもしれない。