はんこ文化に挑戦状! 将来の首相候補・河野行改相の〝改革力〟

2020年09月24日 11時20分

自民の変わり者がいまや首相候補に

 新鮮味に欠ける菅内閣の中で、河野太郎行革担当相(57)が、さっそく存在感を増している。就任してすぐ、深夜の大臣会見に「やめるべき」とかみつき、文科省の“ブラックぶり”にも苦言。23日には「はんこをすぐになくしたい」と日本のはんこ文化に挑戦状を叩きつけた。自民党関係者は「河野氏はかねて党内でも変わり者と見られていましたが、今では将来の首相候補です」と、その激変ぶりを明かす。とっぴにも見える最近の言動は、近い将来の首相のイスを見据えたものなのか。

 河野氏の“はんこ廃止発言”が飛び出したのは23日に行われた「デジタル改革関係閣僚会議」だった。

 平井卓也デジタル改革相が明かしたところによると、河野氏は「本人確認のためではなく、ただ押すという事実だけが必要なケースの場合、すぐにでもなくしたい」という趣旨の発言をしたという。

 デジタル改革は菅義偉首相肝いりだ。新型コロナウイルスの蔓延でテレワークが世の中に広まる中で、はんこを押すためだけに出社しなければならない弊害が指摘されていた。

 自民党には通称「はんこ議連」が存在するが“新しい生活様式”とはんこ文化のすみ分けは喫緊の課題だ。一般サラリーマンからも賛同を得られそうで、河野氏の発言は注目されている。

 最近の河野氏は、さまざまな局面で無駄を指摘している。新閣僚が首相官邸で行った会見で自身の開始時刻が17日午前1時と未明になったことについて「延々とここで(閣僚が順番に)やるのは前例主義、既得権、権威主義の最たるものだ。こんなもの、さっさとやめたらいい」と批判していた。

 さらに、文部科学省で18日に副大臣と政務官の初登庁があった際、午後11時だったにもかかわらず、100人以上の職員が省内に残って花道を作って出迎えた。この“儀式”には職員からも「非常識」との声が上がったと報じられた。

 しかも副大臣らの記者会見は日をまたぎ、職員らも翌日未明まで会見の対応をした。このニュースに河野氏はツイッターで「ヤメレ」と独特の表現で苦言。ネットユーザーからは「文科省はブラック企業かよ」と嘲笑された。政府が働き方改革を訴えているさなか、足元の霞が関中央省庁がブラック待遇では説得力がない。加藤勝信官房長官も慣例の見直しに言及しており、河野氏の改革力が今後、試されることになる。

 そんな河野氏に期待する者は増えている。

 ある議員秘書は「議員事務所によってはコロナ禍でもテレワークが許されないブラック事務所があるんです。文科省の件をきっかけに働き方改革がより進めば、秘書の働き方も変わってこないかなぁ」と目を輝かせる。

 事情は民間も同じ。公務員の働き方が良い方に変われば、民間も変わってくる。

 また、自民党内の河野氏の評価も変化した。

 自民党関係者は「河野氏は2009年の総裁選に出馬して谷垣禎一氏に敗れたのですが、あの時は、ものすごく評判が悪かった。当時の河野氏は派閥領袖など、ベテラン議員批判を繰り返したのです。それに森喜朗元首相なんかはカンカンだったって話ですよ」と振り返る。

 野党に転落した直後だけに、当時の河野氏にしてみれば、自民党改革をしようという意図だったのだろう。それでも同僚議員からは「自分の体にナイフを刺しているみたいだ」と自民党にとってマイナスにしかなっていないと疎まれていた。揚げ句は「河野は口だけ番長だ」とののしる議員もいたほど。

 それから11年、外務大臣など主要閣僚も経験し、今では将来の首相候補。省庁の慣例や、はんこ文化をなくして、一気にポスト菅筆頭に躍り出るか。