児童ポルノ禁止法バトル再燃

2014年01月09日 11時00分

日本雑誌協会の意見広告

 特定秘密保護法で大揺れした与野党の次なる激突はこれだ!! 24日に始まる通常国会に「児童ポルノ禁止法改正案」が提出される見通しだ。「ドラえもんからしずかちゃんの入浴シーンがなくなる」とか「幼稚園の娘と風呂に入れないのか?」などなど、過去に何度も取りざたされては消えた“ゾンビ法案”だが、今の政府が本気になれば成立は時間の問題。さらに自民党から野党に対し甘いささやきが送られているといい、与野党の攻防はすでに始まっている。

 自民、公明、維新が共同提出する同改正案の目玉は、児童ポルノの「単純所持」が禁止になることだ。この点には慎重意見が多く、そもそも児童ポルノとはいったい何を指すのか?という疑問すら解消されていない。

 民主、みんなの党が反対しているが、ある反対派議員は「実在する児童だけでなく、将来的には漫画やアニメの規制につながりかねない」と指摘する。

 改正案では漫画・アニメの規制は「検討」としており、表現の自由を制限する可能性を秘めている。昨年秋の臨時国会で騒ぎになった特定秘密保護法と同じく、何がダメなのかが、あいまいなのだ。

 野党関係者は「自民党から野党に対して、アニメは除外するから受け入れてくれないかという話があったと聞きます」という。与党だけでも可決できるが、野党の合意も得て巻き込みたいわけだ。もし与野党で一致してしまえば、大した議論もなく決まってしまう。

 民主党関係者は「確かにそんな話がありました。しかし、これまでも同様の打診はあったんですよ。民主党としてはアニメも漫画も除外するという案を作っているので、その方針は変わりません。通常国会では与野党対決になると思いますよ」と話す。今のところ、民主党は誘いに乗らないということで、少なくとも粛々と成立することはなさそうだ。

 日本雑誌協会は昨年11月、反対を訴える意見広告を作成し、各メディアで掲載を呼びかけ、漫画家や出版社などの団体も反対の共同行動を起こすべく、準備を始めている。これほど同改正案に反対する人たちが多いにもかかわらず、何度もよみがえるのはなぜか。実は背景に外圧があるからだとの見方がある。

「米国は児童ポルノにとても厳しく、単純所持規制について日本にも要求してきています。例えばこの改正案が通ったら、自分の子供がプールで遊んでいるところや、入浴しているところの写真でも言いがかりをつけられる。実際に米国じゃ、親が異性の子供と一緒に入浴すると虐待と捉えられることもある。これは日米の文化の違いですが、米国の基準をそのまま受け入れたら混乱が起きます」(児童ポルノに詳しい永田町関係者)

 それでも自民党の一強他弱が示す与党勢力は盤石だ。昨年の特定秘密保護法のように反対派の声もむなしく、数の論理で結局は成立してしまう可能性が高い。

 野党のあるベテラン秘書は「予算案はあっさり閣議決定した。通常国会が始まれば、まずは補正予算があり、これもあっさり決まるだろう」とお手上げ状態。

 その次に行われる児童ポルノ禁止法改正案をめぐる与野党のバトルが、どこまで盛り上がるのか見ものだ。