「雪かき対談」した漫画家が明かす「猪瀬氏の“黒い発言”」

2013年12月28日 11時00分

花束贈呈もなく、都庁を去る猪瀬氏

 24日に辞職した東京都の猪瀬直樹知事(67)が同日午後2時ごろ、都庁を去った。徳洲会グループから5000万円を受け取った問題で退任に至ったため、音楽演奏や花束贈呈などのセレモニーは行われず、3人の副知事ら幹部十数人と知事本局の職員約50人が見送る地味な最後となった。かつて猪瀬氏と「雪かき対談」を実現したアダルト漫画家の浦嶋嶺至氏(49)は「一緒に雪かきに行こう」と呼びかけ、猪瀬氏の過去の“黒い発言”を本紙だけに明かした。

 19日に辞任を表明し、24日に都庁を去った猪瀬氏だが、5000万円をめぐる疑いは一切晴れていない。そんな猪瀬氏について、浦嶋氏は過去のやりとりを公開した。

 2010年、副知事だった猪瀬氏は性的描写の漫画やアニメの販売を規制する都青少年健全育成条例の改正を推進していた。反対派の声はすさまじく、それに呼応するように猪瀬氏は「ネトウヨは財政破綻した夕張を助けに行け。雪かきして来い。それならインタビュー受けてもよい」とツイートした。

 これに動いたのが浦嶋氏。猪瀬氏の秘書を通じて「雪かきしたら会う」との言質を取ると、11年1月に北海道・夕張の独居老人宅の雪かきをした。この様子は全国的に報じられ、数日後には猪瀬氏と都庁で会うことになった。

 浦嶋氏によると、猪瀬氏は会うなり「僕、そんなに人に言われるほど怖くないよ」。30分間の予定だった対談は1時間半も続いた。ただ、内容は「ほとんど自慢話。副知事室にズラッと飾られていた本(猪瀬氏の著書)をプレゼントされた」と浦嶋氏。それ以降、互いにツイッターをフォロー。ダイレクトメッセージ(DM)をやりとりする「メル友」の間柄に。だが、浦嶋氏が気になる言葉があったという。

 19日の辞任会見で猪瀬氏は「政治についてよく知らないアマチュアだった」と振り返ったが「猪瀬さんと話した当時は民主党政権だったが、民主党に向けて『政治はアマチュアがやっちゃダメ。プロに任せるべき』とさかんに言っていた。だから(会見は)おかしいと思った」(浦嶋氏)。

 プロではなかった猪瀬氏も、最初から政治の世界に手を伸ばすべきではなかったということだ。元都知事の青島幸男さん(故人)についても猪瀬氏は「1期で辞めた。知事は2期務めなきゃダメ」とも語っていたという。猪瀬氏には副知事時代から「都知事になったら最低2期」との思いがあったようだ。

 今回の疑惑に浦嶋氏は「グレーだ。疑わしいことをやってはいけない」と語る。

 思えば都知事選時、猪瀬氏は相当な不安を抱えていたとも。

「選挙中に『対立候補のネガティブキャンペーンがすごくて困っちゃいました』とDMが届いた」(浦嶋氏)。不安の中で、金に目がくらんだと推測されても仕方ない。

 さらには、公人にあるまじき発言もしていた。先の漫画規制で「成人指定図書を買いたい子供はこっそり買えばよい」と猪瀬氏は話した。「売った書店は罰せられるんだ」と浦嶋氏が指摘しても、聞く耳を持たなかったという。

 今も夕張での雪かきを毎年続けている浦嶋氏だけに、都知事を降りた猪瀬氏には「DMを送って、来年の1~2月の雪かきに誘ってみる。猪瀬さんは夕張に貢献してるから、みんな温かく迎えてくれる」とも語る。

 今後は作家に戻ると話した猪瀬氏だが、東京で行き場を失っても第2の人生がある。