永田町で「スガ・カン」問題ボッ発 ルビ振らないと区別がつかない!

2020年09月11日 11時30分

官房長官(左)と菅元首相

 菅新政権にとっては頭の痛い問題になるかもしれない。自民党総裁選(14日投開票)は、菅義偉官房長官(71)が岸田文雄政調会長(63)、石破茂元幹事長(63)を国会議員票、地方票含めて、大きく引き離しての完勝気配だ。16日に菅氏が首班指名され、菅内閣が発足する流れだが、メディアの間では菅直人元首相(73)との“表記問題”で、大混乱中。“菅・菅(かん・すが)”を区別できる良策はないのか? 元首相の菅氏に聞いてみると――。

 メディアの間で「これは厄介なことになってくる」と話題になったのは8日付の産経新聞だ。1面で「船長釈放『菅元首相が指示』」の見出しが躍り、菅には「かん」のルビが振られた。

 2010年に沖縄県の尖閣諸島沖で、中国漁船が海上保安庁の巡視船と衝突事件を起こした。当時の菅直人首相が中国漁船船長の釈放に強い関与をしていたとする内容だ。同日の産経6面のコラムでは「米 はや『菅首相』研究」の見出しで、米メディアが菅義偉官房長官の人物や政見の研究が始まっていると伝えているが、こちらの見出しには「すが」のルビが振られた。

 朝日新聞出版の「アエラドット」では、10日に菅元首相のインタビュー記事を掲載。「菅氏が菅氏に提言」との見出しで、すべての「菅」が出てくる箇所に「菅(カン)」「菅(スガ)」と挿入される事態となった。

 テレビやラジオ、ネット動画などの音声なら、菅(かん)と菅(すが)の区別はつくが、活字になると2つは同じ文字のために分からなくなってしまう。

 さらに、インターネットやユーチューブなどで「菅首相」「菅内閣」「菅政権」などを検索すると、「支持率急落」「延命政権」などネガティブ記事や動画が大量に出てくる。
 10年6月に発足した菅政権は11年3月の東日本大震災発生前から党内は混乱。震災、原発事故対応で後手に回り、政権はレームダックと化した末に同年9月の退任に追い込まれただけに無理もない。

 菅新内閣はこれから新たな歴史をつくっていくことになるが、前出の産経1面の見出しもルビが振られていなければ、菅官房長官の失策と勘違いされかねない事態が今後出てくることになる。

 永田町関係者は「菅官房長官にとっては菅元首相との混在は、イメージが悪くなりかねない。そもそも菅元首相と菅官房長官の違いを認識していない人もいるだろうし、菅新政権となった時には、菅元首相が返り咲いて、第2次政権になったと思う人が出てくるかもしれない」と話す。

 フルネーム表記すれば問題ないが、活字では字数の制約もあり、少しでも短い表記になる。メディアやネット上では、このルビを振る方法以外に中国の前漢・後漢時代に引っ掛けた「前菅」「後菅」や「菅(K)、菅(S)」のイニシャル方式などの案も出ているが、分かりにくさは払拭できない。

 10日、合流新党の代表選直後、菅元首相にこの“菅・菅問題”を聞いてみた。

「私は生まれた時から菅(かん)だし、菅(すが)さんは菅(すが)だからね」と菅元首相。菅官房長官とは同形異音の名字について、過去に話したことがあるといい「どこまで詳しく確認したかは覚えていないけど、『“すが”と“かん”』は、さかのぼると菅原道真につながる人が多い。道真のいろんな流れが全国に散らばった時に『菅』の字を『かん』とか『すが』と読んだ流れじゃないかと」と説明した。

 今後、自身の政権と菅義偉政権が混在し、ルビが振られたり、混同される可能性が出てくることには「マスコミの方で考えてよ。当事者が考えることじゃないよ(笑い)」と菅元首相。

 自身の“菅政権”が再び脚光を浴びることにもなると感じたようで、菅元首相はどこかうれしそうだった。